分光写真器(読み)ブンコウシャシンキ

化学辞典 第2版 「分光写真器」の解説

分光写真器
ブンコウシャシンキ
spectrograph

分光器に写真装置を取り付けたもの.スペクトルを写真撮影できるようにした分光器で,単に分光器ともいう.分光写真器は光電分光光度計に比べて定量精度が低く,写真の現像など操作上の煩雑さはあるが,広範なスペクトル領域を同一条件で同時に与えること,また装置としての安定性信頼性が高いという長所をもっている.分光写真器は,吸収微細構造精密測定や,寿命の短い中間体などの物質吸収スペクトルを瞬間的に測定する場合には,欠くことのできない装置である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の分光写真器の言及

【分光器】より

…ちなみに通称分光器といわれているものには次のものがある。 (1)分光写真器spectrograph 分光光学系のスペクトル焦点面上に写真感光材(乾板,フィルムなど)をセットし,目的とする波長域のスペクトル写真を撮る装置。(2)モノクロメーターmonochromator 分光光学系のスペクトル焦点面位置にスリットを置き,目的とする波長の光パワー(スペクトル素分)を随時取り出せるようにした装置で,単色光器ともいう。…

※「分光写真器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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