内科学 第10版 の解説
その他の口腔炎,舌炎,粘膜症状(口腔粘膜・舌の疾患)
1)肉芽腫性口唇炎(cheilitis granulomatosa):
溝状舌,顔面神経麻痺を伴うものはMelkersson-Rosenthal症候群とよばれる.
2)舌苔(coated tongue):
糸状乳頭の増殖した状態で,食渣や細菌の関与が考えられる.上部消化管に異常がみられる場合もある.
3)地図状舌(geographic tongue):
遊走輪あるいは遊走疹の1つで,落屑性表在性舌炎とされている.舌乳頭の萎縮した部分が地図状の模様にみえ,変化する.
4)溝状舌(fissured tongue):
舌背部にみられる複数の溝で,口腔乾燥で生ずる.深く,強度のものは遺伝的要素が大きい.
5)Fordyce斑:
頬粘膜の異所性の皮脂腺で,乳白色の斑点としてみられ,麻疹(measles)でみられるKoplik斑と類似する.
6)舌痛症(glossodynia):
神経症の1つで,舌辺縁がピリピリと痛むが,食事のときに痛みは消える.他覚的には正常.味覚障害がないのが特徴である.[高戸 毅]
■文献
榎本昭二,他編:最新口腔外科学,第4版,医歯薬出版,東京,2000.玉置邦彦総編集:最新皮膚科学大系第17巻 付属器・口腔粘膜の疾患,第1版,中山書店,東京,2002.
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報