皮脂腺(読み)ヒシセン(その他表記)sebaceous gland

翻訳|sebaceous gland

デジタル大辞泉 「皮脂腺」の意味・読み・例文・類語

ひし‐せん【皮脂腺】

皮膚内層にあって、脂質を蓄積し、毛孔を通じて皮脂として体表に分泌する腺。手のひらと足のうら以外の全身にある。脂腺

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精選版 日本国語大辞典 「皮脂腺」の意味・読み・例文・類語

ひし‐せん【皮脂腺】

  1. 〘 名詞 〙 哺乳類の皮膚にある皮膚腺一つ腺体は真皮中にあり、排出管は毛嚢部に開口し、皮脂を分泌する。この物質脂肪様の物質で毛や皮膚をうるおし、乾燥を防ぐのに役立っている。手のひら、足のうらにはなく、その他からだ全体に分布している。脂腺。〔医語類聚(1872)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「皮脂腺」の意味・わかりやすい解説

皮脂腺 (ひしせん)
sebaceous gland

哺乳類の外分泌腺一種で,単に脂腺とも呼ばれる。毛に付随してほとんど全身の皮膚に分布し,脂肪酸コレステロールなどを含む脂肪様の物質(皮脂)を分泌し,毛や皮膚をうるおし,乾燥をふせいでいる。毛のない部位,例えば手のひらや足のうらにはないが,口唇,包皮,外陰,肛囲などでは毛をともなわない独立皮脂腺をつくっている(それぞれ口唇腺包皮腺,外陰腺,肛門腺と呼ばれる)。腺体は真皮中にあり,形は胞状で,毛包(毛囊)を囲み,数個集まっている。腺体をなしている腺細胞には,脂肪滴がしだいにたまり,核は退行し,細胞体は脂肪で満たされるようになる。細胞全体の崩壊によって放出された脂肪様分泌物は,立毛筋の運動によって導管を移動し,毛包頸部へ到達し,毛包に貯留され,絶えまなく皮膚表面へ移行し,分泌される。腺体の基底膜に面した細胞は,分裂能力をもち,細胞分裂を起こし,崩壊して皮脂に変化していく腺細胞を補充している。皮脂腺の発育や機能はホルモンによって調節されているが,季節の影響もうけ,春から夏にかけて機能は亢進する。
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百科事典マイペディア 「皮脂腺」の意味・わかりやすい解説

皮脂腺【ひしせん】

脂腺,毛包腺とも。哺乳(ほにゅう)類の皮膚腺の一種で,脂肪を分泌する。てのひら,足底を除く全身に分布し,脂肪酸やコレステロールを成分とする皮脂を分泌し,毛や皮膚を潤し,乾燥を防ぐ。口唇腺,外陰腺,肛門腺など,毛を伴わないものもある。腺体は真皮の中にあり,排出管は毛包に開口する。腺細胞の中に次第に脂肪がたまり,ついには細胞がこわれて分泌物となる。
→関連項目脂漏性湿疹

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「皮脂腺」の意味・わかりやすい解説

皮脂腺
ひしせん
sebaceous gland

毛や皮膚をなめらかにする皮脂を分泌する腺で,大部分は毛根を包む袋状の上皮組織である毛包 (毛嚢) に付属している。

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毛髪用語集 「皮脂腺」の解説

皮脂腺

皮脂をつくり出す器官のこと。毛穴から少し入った頭皮の中にあり、頭髪の潤いを保つ他、細菌から守る働きをしている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「皮脂腺」の意味・わかりやすい解説

皮脂腺
ひしせん

脂腺

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栄養・生化学辞典 「皮脂腺」の解説

皮脂腺

 脂腺ともいう.皮膚の付属器で,皮脂を分泌する腺.

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世界大百科事典(旧版)内の皮脂腺の言及

【腺】より

…(2)粘液腺 粘液を分泌する粘液腺mucous glandは,口腔,鼻腔,咽頭,気管,気管支,消化管など至るところにみられる。(3)脂腺 皮脂腺のように脂質を分泌する腺を脂腺sebaceous glandという。副腎皮質や睾丸(精巣),卵巣の内分泌細胞はステロイドホルモンを分泌するが,これも広義の脂腺ということができる。…

【皮膚】より

…真皮も膠原繊維束がさまざまな方向に交錯して走る厚くてじょうぶな層として発達し,その下には多量の脂肪を含む皮下組織が存在し,神経や血管の通路となっている。また,哺乳類では小汗腺,大汗腺,皮脂腺乳腺の四つの皮膚腺が出現する。小汗腺は全身に分布し,水分の多い分泌物を出して,毛とともに体温調節に重要な働きをする。…

※「皮脂腺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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