朝日日本歴史人物事典 「たし殿」の解説
たし殿
安土桃山時代の武家の女性。摂津の大名荒木村重の妻。夫村重は織田信長から4万石を与えられ在岡城にいたが,信長の怒りを買い,大軍を以って攻められた。籠城ののち,天正7(1579)年に落城,男女七百余人が生け捕られ,その筆頭に名を挙げられた女性。京都に連行され,市中を引き回されたあげく六条河原で殺された。残酷な形で縁座が実施されたもので,「前代未聞」と記された。
(田端泰子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報