たたみこみ(その他表記)convolution

翻訳|convolution

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「たたみこみ」の意味・わかりやすい解説

たたみこみ
convolution

数学用語。重畳積ともいう。たとえば,1次元の熱伝導 2(∂u/∂t)=c2(∂2u/∂x2) で,初期条件を u(0,x)=f(z) とすると,解は
となる。これはいわば,f(ξ)dξ の点熱源が正規分布で拡散されて,その x への影響が「たたみこまれ」ている。一般に,たとえば,定義区間 (-∞,+∞) でなら
としてつくられる関数 h を,f*g と書いて「たたみこみ」という。数列 (整数 n の関数) についてなら,
として「たたみこみ」が定義できる。これは形式的に A(X)=Σa(n)XnB(X)=Σb(n)Xn を考えると A(X)B(X)=Σc(n)Xn になっている。この形では,無限級数の収束の問題があるが,フーリエ変換をすると (収束についての議論をするための適当な条件で) ,「たたみこみ積」は通常の乗法の積になる。逆にいえば,フーリエ変換というのは,「たたみこみ」の世界と通常の乗法の世界を変換しているともいえる。

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