日本大百科全書(ニッポニカ) 「フーリエ変換」の意味・わかりやすい解説
フーリエ変換
ふーりえへんかん
Fourier transformation
実軸上の関数f(x)に対し、そのフーリエ変換を
で定義する。(ξ)が適当な条件を満たせば、
が成り立つ。これをフーリエの反転公式という。
f(x)が偶関数のとき、(1)、(2)はそれぞれ
また奇関数のときは
となる。
f(x)∈L1(-∞,∞)ならば、そのフーリエ変換(1)が定義され、
とすると、
さらに、
と定義すれば、(f*g)(x)∈L1(-∞,∞)となり、
などが成り立つ。
たとえば
とすると、
とくに、
となり、フーリエ変換で変わらない。
この例の関数は急減少関数、すなわち、無限回連続微分可能で、任意の自然数k、lに対し、
xlf(k)(x)→0 (|x|→+∞)
となっている。そのような関数の全体をで表すと、f∈⇒∈となり、反転公式が成り立つ。よって、フーリエ変換を超関数′で定義する方法がある。
フーリエ変換の他の一般への拡張は、f∈ならば、
とすると、
‖f‖2=‖‖2 (3)
となるから、任意のL2(-∞,∞)の関数にフーリエ変換が定義され、(3)が成り立つ。これをプランシュレルの定理という。これから、フーリエ変換はL2(-∞,∞)上の等長変換であることがわかる。
[洲之内治男]
多変数のフーリエ変換
フーリエ級数やフーリエ変換は多変数の関数f(x1,x2,……,xn)に拡張される。それには、x=(x1,x2,……,xn),ξ=(ξ1,ξ2,……,ξn)に対し、
とし、
によって定義すればよい。多くの結果は一変数のときと同様に成り立ち、偏微分方程式などに応用される。
[洲之内治男]