精選版 日本国語大辞典 「正規分布」の意味・読み・例文・類語
せいき‐ぶんぷ【正規分布】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
確率密度が
である確率分布を正規分布またはガウス分布という。正規分布の平均値はm、分散はσ2であり、特性関数はexp(imt-(1/2)σ2t2)である。この正規分布をN(m,σ2)と表す。とくに、m=0,σ=1の場合、すなわちN(0,1)を標準正規分布という。
正規分布N(m,σ2)の確率密度を表す曲線
のグラフは のように、直線x=mに関して対称であり、x=mで最大値1/σをとり、x=m±σにおいて変曲点をもつ。確率変数Xの確率分布がN(m,σ2)であるとき、
と置けば、Zの確率分布は標準正規分布となる。したがって正規分布に関する確率の計算は標準正規分布の場合に帰着される。すなわち、Xがaとbとの間にある確率は
と置くと、Zがαとβとの間にある確率に等しい。すなわち、
P(a≦X≦b)=P(α≦Z≦β)この右辺の確率の値は正規分布表によって求めることができる。
確率変数Zの分布が標準正規分布であるとき、x≧0に対する
の値の表が作成されている。Φ(x)は の青色部分の面積を表している。この表を正規分布表という。
のグラフはy軸に関して対称であるから、正規分布表を用いると、与えられたα,β(α<β)に対してP(α≦Z≦β)の値を求めることができる。すなわち、
α<β<0のとき
P(α≦Z≦β)
=Φ(-β)-Φ(-α)
α<0<βのとき
P(α≦Z≦β)
=1-Φ(-α)-Φ(β)
0<α<βのとき
P(α≦Z≦β)
=Φ(α)-Φ(β)
二つの確率変数X1、X2が独立で、その確率分布がいずれも正規分布N(m,σ2)であるときc1X1+c2X2(c1、c2は定数)の確率分布はN((c1+c2)m,σ2(c12+c22))である。これは正規分布の一つの特性である。同一の分布関数F(x)をもつ二つの確率変数X1、X2が独立であってc1X1+c2X2の分布関数があるcに対してF(cx)となる場合、F(x)を安定な分布関数という。F(x)が安定な分布関数で分散が有限であれば、F(x)は正規分布の分布関数である。
n次元正規分布A=(aij)をn次正値対称行列、Δ=detAとして、n次元確率密度が
で与えられるn次元確率分布をn次元正規分布という。
正規分布の有名な実例をあげよう。ケトレーは成年男子の身長の分布が正規分布になっていることを確かめた。マクスウェルは気体分子の速度の分布が正規分布で表されることをみいだした。またガウスは偶然誤差の分布が正規分布であることをみいだした。正規分布に対するガウスの貢献によって正規分布はガウス分布ともよばれている。ポアンカレの著書『Calcul des probabilités』には誤差の分布についての観測と理論に関する興味深い記述がある。「実験家に聞けば、多くの場合正規分布に従うがそうでないこともある。そうでないのは観測が不十分であったためで、数学者が証明しているように当然正規分布に従うはずであると答える。また数学者に聞くと、それは数学的に確立されたのではない。実験によってそうなっているのだと答える」。この問題の数学的定式化は、20世紀に入って確率変数の和の問題について中心極限定理が確立されて初めて完成した。
[古屋 茂]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 (株)トライベック・ブランド戦略研究所ブランド用語集について 情報
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
※「正規分布」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物。「推しの主演ドラマ」[補説]アイドルグループの中で最も応援しているメンバーを意味する語「推しメン」が流行したことから、多く、アイ...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新