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乗法 じょうほうmultiplication

翻訳|multiplication

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

乗法
じょうほう
multiplication

四則計算の一つ。掛け算ともいう。法で x×r と表わされる場合,通常は基礎的な量 x を単位とみなして r だけはかるという「 r 倍」 (倍拡大型) と考えられ,単位の積重ねとして累加から生じている (たとえば 2m×3=6m を 2m+2m+2m といったふうに) と考えることもできる。しかし,使われ方としては,yax という正比例関数 (たとえば ykm=akm/分×x分 ) の形で現れることが多く,x をベースとして a が重ねられるというほうが乗法のイメージとしては多い。この被乗数と乗数が対等で,zxy のような複比例型になる場合 (たとえば2人が3日働いて2人×3日=6人・日) もある。これは直積としての構造にかかわり,乗法の交換法則の根拠になっているが,除法とは結びつきにくい。さらに,これらの乗法は,行列算の乗法の原型になる。ベクトルに関しては,内積外積のような特別の乗法もあり,さらにいろいろな数学的構造に応じて,数とは異質な乗法が考えられることもある。たとえば,正方行列については
のような特殊な乗法を考えることもある。

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デジタル大辞泉の解説

じょう‐ほう〔‐ハフ〕【乗法】

二つ以上の数や式を掛け合わせて、積を求める計算法。掛け算。⇔除法

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大辞林 第三版の解説

じょうほう【乗法】

掛け算。 ↔ 除法

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

乗法
じょうほう

掛け算のこと。二つの数abが与えられたとき、aを1単位としてb単位にあたる数を求めるには、abを掛けるa×bを計算すればよい。この計算が乗法である。このとき、aを被乗数、bを乗数、a×bの結果を積という。bが正の整数のときは、a×bは、ab回加え合わせることと一致する。乗法では、交換法則a×bb×a、結合法則(a×bca×(b×c)が成り立ち、さらに、加法と関連して、分配法則a×(bc)=a×ba×cが成り立つ。また、数1は、どんな数aに対してもa×1=aとなる。一方、数0ではa×0=0となる。
 整数の乗法の計算では、九九(乗法九九)が基本になる。これは、1桁(けた)の整数どうしとその積を1×1=1から9×9=81までを、被乗数に従って整理したものといえる。現在は、あらゆる組合せ(81通り)を含める(これを総九九という)が、大正期までは、先に唱える数が後に唱える数以下の場合(45通り)だけを考えた(これを制限九九または半九九という)。2数の少なくとも一方が2桁以上のとき、その積は九九と分配法則などの計算法則を用いて求められる。分数どうしの乗法では、分母の積を分母とし、分子の積を分子とする分数をつくればよい。負の数を含む数の乗法では、2数の絶対値の積に、符号の規則(同符号の2数のとき正、異符号の2数のとき負)によって定まる符号をつければよい。無理数を含む数の乗法では、その無理数に収束する有理数列をとり、それらの各項の積がつくる有理数列の極限値をとればよい。とくに、累乗根については、a>0, b>0のとき、

が成り立つ。複素数についても乗法が定められる。
  (abi)×(cdi)=(acbd)+(adbc)i
   (i)
のように定める。文字式について乗法が定められる。数と文字との積は、3×aa×3=3aのように、数を先に書き、記号×が省略される。文字と文字の積でも、同じように、a×babとして×は省かれる。単項式どうしの乗法では、数どうし、文字どうしを掛け合わせればよい。このとき、同じ文字の積は、a×aa2, a×a×aa3のように、累乗の形に書く。多項式の乗法では、分配法則A(BC)=ABACによって、単項式どうしの積の計算に帰着させればよい。[三輪辰郎]

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世界大百科事典内の乗法の言及

【四則】より

…分数の間では,次のような演算ができる。この和,差,積,商を得る4種類の基本的演算,加法,減法,乗法,除法を四則演算という。ただし,除法では0で割ることは考えない。…

※「乗法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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