タマキビ(その他表記)Littorina brevicula; periwinkle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマキビ」の意味・わかりやすい解説

タマキビ
Littorina brevicula; periwinkle

軟体動物門腹足綱タマキビガイ科。殻高 1.4cm,殻径 1.7cm。殻は厚く,通常灰黒色地に黄白色斑がある。体層には3本の強い螺肋がある。北海道東北部から沖縄を経て中国大陸南部までの岩礫地に分布するが,奄美大島,沖縄には少い。1~4月に浮遊性のヘルメット形卵嚢 (通常卵が1個入っている) を産む。 11月から4月までの冬期には潮間帯にすみ,岩の表面の藻類などを食べて成長するが,生後2年目以降の個体は,5月から 10月までの夏期には潮上帯に移動し,活動を停止する。乾燥や高温に強く,水温 45℃にも耐える。外洋に面した岩磯の高潮帯には近縁種アラレタマキビ,イボタマキビ Nodilittorina pyramidalisなどがすんでいる。

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