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奄美大島 あまみおおしま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

奄美大島
あまみおおしま

鹿児島県南部,奄美群島の主島群で,本島と付属諸島(加計呂麻島請島与路島およびその他の小島)を合わせて大島または奄美大島と呼ぶ。本島だけをさして大島または奄美大島と呼ぶこともある。奄美市龍郷町瀬戸内町の 2大和村宇検村の 2村からなるが,奄美市に人口の約 7割が集中。本島は日本の離島として佐渡島に次ぐ大きさである。琉球王国の統治下にあったが,慶長14(1609)年以後明治維新まで島津氏の領有地となった。第2次世界大戦後アメリカ合衆国の軍政下に置かれ,1953年返還。地質は古生層,中生層を主とし,花崗岩も見られる。中央の湯湾岳(694m)を中心に周囲は標高 300~400mの山地をなす。東部海岸はサンゴ礁,海岸段丘が発達。南部は沈水海岸で,大島海峡を隔てて加計呂麻島がある。気候は亜熱帯性で,奄美市名瀬の年平均気温 21℃前後,最寒月(1月)の平均気温は 14℃前後で,東京の 4月下旬に相当。降水量は年 3000mm程度で東京の約 2倍。冬でも降雪,降霜がない。台風の襲来が多い。主作物はサトウキビで主産物は黒砂糖。ほかにサツマイモ,米,バナナ,ポンカン,パイナップルなどを栽培。ソテツガジュマルビロウヘゴハイビスカスリュウゼツランなどの亜熱帯性植物が茂る。アマミノクロウサギ(国指定特別天然記念物),ルリカケス(国指定天然記念物)が生息し,毒ヘビのハブは有名。大島紬,かつお節などを特産。奄美群島国立公園に属する。古仁屋に天然の良港があり,北東部に奄美空港がある。面積 719.88km2(加計呂麻島,与路島,請島は除く)。人口 7万1827(2000)。

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デジタル大辞泉の解説

あまみ‐おおしま〔‐おほしま〕【奄美大島】

奄美群島の主島。→大島

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百科事典マイペディアの解説

奄美大島【あまみおおしま】

奄美諸島(2010年3月より奄美群島)の主島。たんに大島とも。面積712.35km2。南西部に加計呂麻(かけろま)・請(うけ)・与路(よろ)の属島があり,鹿児島県奄美市・龍郷(たつごう)町・瀬戸内(せとうち)町・大和(やまと)村・宇検(うけん)村がある。
→関連項目沖永良部島笠利[町]喜界島西郷隆盛薩南諸島サバヒー龍郷[町]吐【か】喇列島徳之島名瀬[市]南西諸島与論[町]

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世界大百科事典 第2版の解説

あまみおおしま【奄美大島】

鹿児島県南部,奄美諸島の主島。大島または本島ともいう。面積712km2。大島支庁のある名瀬市および大島郡笠利,竜郷,瀬戸内の3町と大和(やまと),宇検,住用の3村からなる。人口7万5832(1995)。古期岩石からなる山地が広く平地に乏しい。最高点は湯湾岳(694m)。気候は亜熱帯的で降水量がはなはだ多く(名瀬市で年間2871mm),ソテツその他の亜熱帯樹が茂り,猛毒のハブが生息する。平地が少ないので農業は振るわず,カンショとサトウキビが主であったが,最近パイナップル,ポンカン,パッションフルーツなどの生産がふえてきた。

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大辞林 第三版の解説

あまみおおしま【奄美大島】

奄美諸島の主島。 → 大島

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日本の地名がわかる事典の解説

〔鹿児島県〕奄美大島(あまみおおしま)


九州南方沖に列状に点在する薩南(さつなん)諸島南部、奄美諸島の主島。面積712.0km2。鹿児島県奄美市・大島郡龍郷(たつごう)町・瀬戸内(せとうち)町・大和(やまと)村・宇検(うけん)村がある。大島とも。湯湾(ゆわん)岳(標高694m)を最高峰とする山がちの島。北東部は珊瑚礁(さんごしょう)(裾礁(きょしょう))が発達する。南西部は沈降性の複雑な海岸線をなし、大島海峡を隔てて加計呂麻(かけろま)島と対する。亜熱帯性気候に属し、ソテツやアダンなどの亜熱帯植物がみられる。特別天然記念物のアマミノクロウサギやルリカケス、猛毒をもつハブが生息。サツマイモ・サトウキビに加え、パイナップルなどの栽培が盛ん。笠利(かさり)半島などの海岸部や湯湾岳ほかの山岳部は奄美群島国定公園に属し、自然景観を利用した観光産業も活発。大島紬(つむぎ)が特産品。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

奄美大島
あまみおおしま

鹿児島県奄美諸島の北端に位置し、同諸島中最大の島。属島に加計呂麻(かけろま)島、与路(よろ)島、請(うけ)島などがある。本島の面積712.38平方キロメートル、島の最高点は湯湾(ゆわん)岳の694メートル。本島と加計呂麻島はリアス式の海岸線を有し、極度に屈曲に富む。このような地形であるため、北部の笠利(かさり)半島付近を除くと、平坦(へいたん)な低地には恵まれず、島全体が山地といってもよい。北東端から、奄美市笠利町地区、龍郷(たつごう)町、奄美市名瀬(なぜ)地区、大和(やまと)村、奄美市住用(すみよう)町地区、宇検(うけん)村、瀬戸内(せとうち)町と並び、瀬戸内町は加計呂麻島、与路島、請島なども含む。地質学的には、大部分が北東―南西走向の数種の古生層に区分され、これらを基盤としてごく一部に古期花崗(かこう)岩類、古第三紀のものと考えられる砂岩・頁岩(けつがん)互層が分布する。気候は亜熱帯性の温暖湿潤型を示し、名瀬地区の最寒月の月平均気温(1月)が14.8℃、年平均気温は21.6℃、年降水量は2838ミリメートルと日本でも最多雨地域に属している。もちろん、梅雨、台風による降水量は多いが、冬期のそれも月平均160~200ミリメートル(以上、1981~2010年の平均)と多く、これが年降水量を増大させる一因ともなっている。これらの自然的条件の影響で、その生物相(動植物)は本土とは著しく異なり、東南アジアとの類似性が強く、特別天然記念物のアマミノクロウサギや毒蛇のハブも生息する。
 奄美大島を含む奄美諸島の歴史は古く、『日本書紀』にまでさかのぼることができるが、この島々が日本領土となったのは、1609年(慶長14)島津家久(しまづいえひさ)による琉球(りゅうきゅう)征服以後である。以後明治時代になるまで藩政が続き、のちに鹿児島県となり現在に至るが、第二次世界大戦後の約8年間は沖縄県と同様アメリカ軍の軍政下に置かれた。日本への復帰は1953年(昭和28)12月25日である。基幹産業は、藩政時代にその栽培技術が伝えられ、以来続いているサトウキビ栽培、および大島紬(つむぎ)の生産で、このほかに水産養殖業、林業などが行われる。近年、国直(くになお)海岸、用安(ようあん)海岸、アヤマル崎、用(よう)海岸、大島海峡などの自然景観、あるいは八月踊り、奄美祭などの年中行事や、伝統芸能、高倉などの民家などを含む観光資源に着目し観光業にも力を入れている。島内の交通路は、山がちな地形や戦後の一時期の社会投資の不足などの原因でいまだ十分とはいえないが、徐々にその遅れを取り戻しつつある。鹿児島市とは大型の定期船や航空機で結ばれ、奄美市名瀬地区は奄美諸島の交通拠点ともなっている。人口6万5969(2009)。[塚田公彦]

植物

奄美大島はフロラ(植物相)が豊かで固有種も多く、アマミヒイラギモチ、アマミスミレ、ヤドリコケモモ、アマミサンショウソウなど、生態的に興味ある種が分布している。自然植生もよく発達し、シイ、イスノキ、イジュなどの優占する常緑広葉樹林(ケハダルリミノキ―スダジイ群集など)やハドノキ―ヒカゲヘゴ群落などが生育し、金作原(きんさくばる)国有林内にこれらの原生林が残存している。さらにソテツ群落、アダン群集、クサトベラ群落など、亜熱帯性の植生が海岸沿いに発達している。[奥田重俊]
『昇曙夢著『奄美の島々』(1965・奄美社) ▽『奄美大島の概況』(1957・大島支庁) ▽『奄美――自然と文化』(1959・日本学術振興会) ▽青野・尾留川編『日本地誌 21』(1975・二宮書店)』

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世界大百科事典内の奄美大島の言及

【琉球征服】より

…琉球出兵はこのような対明政策を背景として行われた。すなわち,06年3月島津氏は琉球の奄美大島に侵攻する大島入(おおしまいり)の談合をもった。これは前年8月15日,肥前平戸の松浦氏が7月28日幕府から同地に漂着した琉球船の送還と懸案の来聘問題で琉球の打診を命じられたと島津氏に通報したことが,島津家久と父の義弘にこれまでの対琉球関係を維持するために来聘問題解決の手段としての武力行使を決意させたからである。…

※「奄美大島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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