ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
奄美大島
あまみおおしま
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鹿児島県奄美諸島の北端に位置し、同諸島中最大の島。属島に加計呂麻島(かけろまじま)、与路島(よろじま)、請島(うけじま)などがある。本島の面積712.38平方キロメートル、島の最高点は湯湾岳(ゆわんだけ)の694メートル。本島と加計呂麻島はリアス式の海岸線を有し、極度に屈曲に富む。このような地形であるため、北部の笠利半島(かさりはんとう)付近を除くと、平坦(へいたん)な低地には恵まれず、島全体が山地といってもよい。北東端から、奄美市笠利町地区、龍郷(たつごう)町、奄美市名瀬(なぜ)地区、大和(やまと)村、奄美市住用(すみよう)町地区、宇検(うけん)村、瀬戸内(せとうち)町と並び、瀬戸内町は加計呂麻島、与路島、請島なども含む。地質学的には、大部分が北東―南西走向の数種の古生層に区分され、これらを基盤としてごく一部に古期花崗(かこう)岩類、古第三紀のものと考えられる砂岩・頁岩(けつがん)互層が分布する。気候は亜熱帯性の温暖湿潤型を示し、名瀬地区の最寒月の月平均気温(1月)が14.8℃、年平均気温は21.6℃、年降水量は2838ミリメートルと日本でも最多雨地域に属している。もちろん、梅雨、台風による降水量は多いが、冬期のそれも月平均160~200ミリメートル(以上、1981~2010年の平均)と多く、これが年降水量を増大させる一因ともなっている。これらの自然的条件の影響で、その生物相(動植物)は本土とは著しく異なり、東南アジアとの類似性が強く、特別天然記念物のアマミノクロウサギや毒蛇のハブも生息する。
奄美大島を含む奄美諸島の歴史は古く、『日本書紀』にまでさかのぼることができるが、この島々が日本領土となったのは、1609年(慶長14)島津家久(しまづいえひさ)による琉球(りゅうきゅう)征服以後である。以後明治時代になるまで藩政が続き、のちに鹿児島県となり現在に至るが、第二次世界大戦後の約8年間は沖縄県と同様アメリカ軍の軍政下に置かれた。日本への復帰は1953年(昭和28)12月25日である。基幹産業は、藩政時代にその栽培技術が伝えられ、以来続いているサトウキビ栽培、および大島紬(つむぎ)の生産で、このほかに水産養殖業、林業などが行われる。近年、国直(くになお)海岸、用安(ようあん)海岸、アヤマル崎、用(よう)海岸、大島海峡などの自然景観、あるいは八月踊り、奄美祭などの年中行事や、伝統芸能、高倉などの民家などを含む観光資源に着目し観光業にも力を入れている。島内の交通路は、山がちな地形や戦後の一時期の社会投資の不足などの原因でいまだ十分とはいえないが、徐々にその遅れを取り戻しつつある。鹿児島市とは大型の定期船や航空機で結ばれ、奄美市名瀬地区は奄美諸島の交通拠点ともなっている。人口6万5969(2009)。
[塚田公彦]
奄美大島はフロラ(植物相)が豊かで固有種も多く、アマミヒイラギモチ、アマミスミレ、ヤドリコケモモ、アマミサンショウソウなど、生態的に興味ある種が分布している。自然植生もよく発達し、シイ、イスノキ、イジュなどの優占する常緑広葉樹林(ケハダルリミノキ―スダジイ群集など)やハドノキ―ヒカゲヘゴ群落などが生育し、金作原国有林(きんさくばるこくゆうりん)内にこれらの原生林が残存している。さらにソテツ群落、アダン群集、クサトベラ群落など、亜熱帯性の植生が海岸沿いに発達している。
[奥田重俊]
『昇曙夢著『奄美の島々』(1965・奄美社)』▽『『奄美大島の概況』(1957・大島支庁)』▽『『奄美――自然と文化』(1959・日本学術振興会)』▽『青野・尾留川編『日本地誌 21』(1975・二宮書店)』
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
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…琉球出兵はこのような対明政策を背景として行われた。すなわち,06年3月島津氏は琉球の奄美大島に侵攻する大島入(おおしまいり)の談合をもった。これは前年8月15日,肥前平戸の松浦氏が7月28日幕府から同地に漂着した琉球船の送還と懸案の来聘問題で琉球の打診を命じられたと島津氏に通報したことが,島津家久と父の義弘にこれまでの対琉球関係を維持するために来聘問題解決の手段としての武力行使を決意させたからである。…
※「奄美大島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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