ダウノルビシン

化学辞典 第2版 「ダウノルビシン」の解説

ダウノルビシン
ダウノルビシン
daunorubicin

C27H29NO10(527.52).ダウノマイシンともいう.放線菌Streptomyces peuciticusが産生するアンスラサイクリン系抗生物質.塩酸塩は赤色の針状晶.分解点188~190 ℃.+253°(メタノール).λmax 234,252,290,480,495,532 nm(ε 35100,24350,8000,11300,11500,5900).グラム陽性菌に有効であるが,制がん剤として急性白血病などの治療に用いる.LD50 15~20 mg/kg(マウス静注).[CAS 20830-81-3][CAS 23541-50-6:塩酸塩]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のダウノルビシンの言及

【抗生物質】より

…日本で発見され臨床的に用いられているものに,秦藤樹のカルチノフィリン(1954),マイトマイシン(1956),梅沢浜夫のブレオマイシン(1966),ペプロマイシン(1977),アクラシノマイシンA(商品名アクラルビシン,1977),立岡末雄のクロモマイシンA3(1955),石田名香雄のネオカルチノスタチン(1965)があり,とくにブレオマイシン,マイトマイシンは外国でもよく用いられている。外国で発見されたもので治療に用いられているものに,アクチノマイシンD,ダウノルビシン(商品名ダウノマイシン),ドキソルビシン(商品名アドリアシン)がある。一般に,胃癌,肺癌などの内臓癌には制癌剤が効きにくいが,ドキソルビシンは各種内臓癌に効くといわれている。…

※「ダウノルビシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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