だりむくり(読み)ダリムクリ

デジタル大辞泉 「だりむくり」の意味・読み・例文・類語

だり‐むくり

酔っ払い。呑んべえ。
「私ども二人は名代の―にござります」〈滑・素人狂言紋切形・下〉
人を罵倒する語。分からず屋、因業者などの類。
「やい此の―めえ」〈滑・大山道中膝栗毛・二〉

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精選版 日本国語大辞典 「だりむくり」の意味・読み・例文・類語

だり‐むくり

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「だりむくる」の連用形の名詞化 )
  2. 酔ってしまりがなくなったり、くどくなったりすること。また、その人。だりむくれ。
    1. [初出の実例]「市の野郎めが喰ひ酔って、楊弓場でだりむくりを云ひ出して、外聞が悪いわな」(出典:歌舞伎・彩入御伽草(おつま八郎兵衛)(1808)序幕)
  3. ぶつぶつと小言を言うこと。また、その小言。
    1. [初出の実例]「『遅くなると、コレ』と小指を見せて『これが、だりむくりを云はうによ』」(出典:歌舞伎・時桔梗出世請状(1808)二幕)
  4. 失敗すること。身をもちくずすこと。
    1. [初出の実例]「この駕籠に乗ってゐるのは、おれがだりむくりの始まり、手越の少将」(出典:歌舞伎・陬蓬莱曾我(1811)三立)
  5. 他人を罵倒する語。「わからずや」「因業(いんごう)者」などの類。
    1. [初出の実例]「番頭のだりむくりが、顔見世を見にゆくなら、わっちと一緒に行かうのなんのと」(出典:歌舞伎・戻橋脊御摂(1813)序幕)

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