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名代 なしろ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

名代
なしろ

大化改新前の天皇,皇后,皇子の名をつけた皇室の私有民。5~6世紀に,多く東国に設置されたものらしい。下総の孔王部 (あなほべ) などがその一例である。このほかに,藤原部,蝮 (たじひ) 部,白髪部などがみられる。

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デジタル大辞泉の解説

な‐しろ【名代】

大化の改新以前の皇族の私有部民(べみん)。諸国の国造(くにのみやつこ)の民から割いて設け、皇族名を付した。子代(こしろ)とともに皇族の経済源となった。御名代(みなしろ)。

な‐だい【名代】

[名・形動]
名前を知られていること。評判の高いこと。また、そのさま。「名代の色事師」
「竜閑橋(りゅうかんばし)や、―な橋だがね」〈漱石草枕
名目として掲げる名前。名義。名目(めいもく)。
「加賀一疋、旦那の―で買ひがかる」〈浄・曽根崎
江戸時代、歌舞伎操り芝居などの興行で、奉行所から許可を得た興行権の名義人。江戸では座元と一致したので使われず、上方で用いられた。

みょう‐だい〔ミヤウ‐〕【名代】

ある人の代わりを務めること。また、その人。代理。「父の名代として出席する」

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百科事典マイペディアの解説

名代【なしろ】

大化前代の皇室私有民。天皇・皇后・皇子らの御名(みな)(王名や宮号)を負う。伝承では御名を伝えるために設置された部民(べみん)。御名代部(みなしろべ)。子代(こしろ)との区別は明らかでない。
→関連項目

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世界大百科事典 第2版の解説

なだい【名代】

江戸時代,歌舞伎人形浄瑠璃などの興行権を所有した名義人。櫓主(やぐらぬし)ともいう。これらの興行では,その創始期に公儀へ願い出て許可を得た者の名義が登録され,以後この名義で櫓を上げ興行することができた。京では1669年(寛文9)に都万太夫,早蜘長吉,亀屋粂之丞ら7人が,また大坂では1652年(承応1)に藍屋九郎右衛門,大坂太左衛門,松本名左衛門らに櫓が許され,〈名代〉となったと伝えられる。江戸では〈座元(ざもと)〉と呼ばれ世襲されたが,京坂では名代の売買譲渡が行われたため,たとえば,名代は大和屋甚兵衛であっても,実際は別人が興行権を継承している場合が多くあり,この継承者を〈名代主〉と称して名代とは区別した。

みょうだい【名代】

本来〈名代〉は代人あるいは現代法律用語にいう代理人という意味であった。例えば《吾妻鏡》巻二,養和1年(1181)閏2月28日条に,〈宗政は朝政の名代として,一族および今度合力の輩を相率いて,鎌倉に参上す〉とある。また《双林寺伝記》に,〈此節憲景は脳病により嫡子孫九郎憲春を名代として,小田原において武功を尽す〉,また,《公方両将記》上に,〈国々ノ大名高家,皆使者ヲ以テ名代トシ云々〉とある。 次に,中世の史料では家督を指して〈名代〉と呼び,家督相続を〈名代相続〉とも呼んでいた。

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大辞林 第三版の解説

なしろ【名代】

大化前代、大和朝廷に服属した地方首長の領有民の一部を割いて、朝廷の経済的基盤として設定した部。天皇・后妃・皇子などの王名や宮号をにない、その生活の資養にあてられた。子代こしろとの区別は明らかではないが、子代は后妃の皇子・王子の資養にあてられた部民と考えられている。御名代。

なだい【名代】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
評判が高いこと。名高いこと。また、そのさま。 「当地-の銘菓」 「竜閑橋や、-な橋だかね/草枕 漱石
名目。名義。 「わが-にして家を求めても/浮世草子・織留 2
江戸時代、歌舞伎・操り芝居などの興行師で、奉行所から許可を得て登録された者。

みょうだい【名代】

ある人の代わりをつとめること。また、その人。 「父の-で会合に出る」

出典|三省堂
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世界大百科事典内の名代の言及

【歌舞伎】より

… これに比して上方の場合は非常に特色があった。まず〈名代(なだい)〉という者の存在である。〈名代〉は興行権の所有者である。…

【興行】より

…不入りのために膨大な借金を抱え,江戸三座の座元が窮地に陥ったときの救済策として,北町奉行は1734年(享保19)8月から,他の座元が興行を代行する〈控櫓(ひかえやぐら)(仮櫓)〉の制度を設けた。上方の興行機構は江戸と異なり,興行権の所有者を〈名代(なだい)〉,劇場の持主を〈芝居主〉,興行師でしかも芸の実力と人気を兼備した役者や太夫を〈座本(ざもと)〉(江戸時代中期以降は〈仕打(しうち)〉が職掌として代行)とよび,この3者が提携して興行主体を構成した。なお江戸でいう金主・金方(きんかた)を上方では銀主(ぎんしゆ)・銀方(ぎんかた)といい,興行上の収益も損害も,分散させて処理していく分業システムが採用されていた。…

【座元(座本)】より

…なお,上方には〈座本〉といわれるものがある。江戸と性格が異なり,興行権の所有者〈名代(なだい)〉と,座頭役者(のちには名義ばかりのものになった)で興行師を兼ねた座本(のちにその職掌は仕打(しうち)が代行)とは区別されていた。劇場の所有者を〈芝居主〉と呼び,この3者で興行主体を形づくった。…

【蔵屋敷】より

…蔵屋敷を通じて販売される諸品を総称して蔵物(くらもの)と呼ぶが,その中心は貢租米であり,特産品としては砂糖,藍玉,紙,畳表などがあった。通常,蔵屋敷には蔵役人,名代(みようだい),蔵元掛屋,用聞(ようきき),用達(ようたし)と呼ばれる構成員がいた。蔵役人は領主から派遣された蔵屋敷の元締めたる武士であり,その重職を留守居といった。…

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