因業(読み)いんごう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

因業
いんごう

仏教用語。原因と,間接的原である行為 () とをいう。また,結果をもたらす原因としての業をもいう。一般には,頑固で無情なことを意味する語として用いる。

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デジタル大辞泉の解説

いん‐ごう〔‐ゴフ〕【因業】

[名・形動]
仏語。何らかの結果を生む原因になる行為。また、因と業。
《前世の悪業が原因で招いた性格や運命の意から》
㋐頑固で思いやりのないこと。また、そのさま。「因業なやり方で借金を取り立てる」
㋑宿命的に不幸なこと。また、そのさま。
「―な生れだなあ」〈有島或る女

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大辞林 第三版の解説

いんごう【因業】

[1] ( 名 )
〘仏〙 因と業。
[3][0] ( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
〔前世の悪業が原因となって招いたことの意〕
頑固で物わかりの悪いさま。また、人に対する仕打ちが情け容赦もなくひどいさま。 「 -な仕打ち」 「 -者」
宿命的に不幸なさま。 「 -な生まれ」
[派生] -さ ( 名 )

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

因業
いんごう

(ごう)はサンスクリット語のカルマkarmaの訳で、行為一般をさす。インド、とくに仏教は、つねに行為を重視して、その分析が鋭い。行為において原因があり結果を生ずると、その結果はただちに次の行為に作用し影響を及ぼし、ときに原因となる現実のあり方を説いて、前の行為を「業因」または「因業」とよんだ。それを日本の中世以降は、悪い行為や結果の場合のみをとくに強調して、俗に強情で頑固な態度を因業と称するようになった。[三枝充悳]

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精選版 日本国語大辞典の解説

いん‐ごう ‥ゴフ【因業】

〘名〙
① 仏語。因と業。果をもたらすための直接の力となる因と、その因を助ける間接的な縁としての行為(業)。また、果報の因となる業(ごう)、すなわち、報いの原因となる行為。
※性霊集‐八(1079)講演仏教報四恩徳表白「死也非我欲。因業之鬼殺我」 〔劉禹錫‐広禅師碑〕
② (形動)(前世の悪業が原因となって招いた性格、運命の意から)
(イ) がんこで思いやりのないこと。欲が深くて無慈悲なさま。
※人情本・柳之横櫛(1853頃)二「因業(ヰンゴウ)ばかり並べたてて聞訳のねへものだナア」
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六「いんがうな借金とりや質屋(ななつや)
(ロ) 救いようもなく不幸なさま。
※或る女(1919)〈有島武郎〉前「因業(インゴフ)な生れだなあ」

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