改訂新版 世界大百科事典 「チトラール」の意味・わかりやすい解説 チトラールChitrāl パキスタンの北西辺境州北部,ヒンドゥークシュ山脈南麓の交易都市。カーブル川の支流クナール川の上流にあり,まわりは急崖に囲まれ,その麓の複合扇状地と河谷平野に産するアプリコットなどの果物,米,小麦,トウモロコシなどを集散する。ナイフ・短刀製造,ししゅうなどの手工業でも名高い。谷を上流につめると,東方はシャンドゥール峠を経てギルギットに,また北東方はバローギル峠を経てワハーンの谷に至り,いずれもかつてはインド亜大陸と中央アジアとを結ぶ交通路として利用された。周辺はパキスタン有数の鉱産資源埋蔵地で銅,鉄,マンガン,アンチモンの埋蔵が知られているが,ほとんど未開発。執筆者:応地 利明 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by