ギルギット(読み)ぎるぎっと(英語表記)Gilgit

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギルギット」の意味・わかりやすい解説

ギルギット
ぎるぎっと
Gilgit

パキスタン北端部の町。カラコルム山脈南麓(なんろく)の山間小盆地にあり、インダス川の上流部に注ぐフンザ川の支流ギルギット川に臨む。人口約3万。ギルギットからフンザ川の谷を通る道は古くから内陸アジアとインド亜大陸とを結ぶ重要な交通路で、4世紀初めには北朝後魏(こうぎ)の僧宋雲(そううん)が、また5世紀初めには東晋(とうしん)の僧法顕(ほっけん)がここを通過している。1978年完成のカラコルム・ハイウェーもここを通っている。町は段丘化した扇状地上にあり、交通路の近くには磨崖仏(まがいぶつ)が残っている。イギリス領時代にはカシミール藩王国から租借してここにギルギット管区を置き、イギリス領インドの北辺への守りとした。インド、パキスタンの分離・独立によりパキスタンに帰属した。北方ラカポシ山(7788メートル)がそびえ、カラコルム登山の基地となっている。

[応地利明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギルギット」の意味・わかりやすい解説

ギルギット
Gilgit

パキスタン北部,カシミールの町。ギルギット川とフンザ川の合流点より西方約 20km,ギルギット川南岸に位置する。古くからカシミールとパンジャブ,西チベット,フンザ地方とを結ぶ交易中継地として栄え,仏教聖地としても有名。独立以来インドと帰属が争われ,現在ではパキスタン管理下のカシミールの軍事的主要拠点で,付近の少数民族に対する行政中心地でもある。周囲にはわずかな農耕地が開かれ,コムギダイズなどを生産。気候は高地温帯に属し,春夏秋冬の季節がはっきりしている。

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