ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チューリップ恐慌」の意味・わかりやすい解説
チューリップ恐慌
チューリップきょうこう
Tulpomanie
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[重商主義段階の初期的恐慌]
16世紀に世界商業が飛躍的に拡大しはじめ,西ヨーロッパ諸国の中世的社会が解体され,各国内部にも商品経済が浸透していくなかで,各商業都市に商取引や貨幣・信用取引が集中されるにしたがい,ときおり集中された取引関係における支払不能の連鎖が同時に広範に生ずるようになる。たとえば,16世紀中ごろには王侯の財政不始末からアントワープとリヨンに有価証券取引所の崩壊現象が生じ,1637年にはオランダの諸都市にチューリップの球根の投機的取引の発展と崩壊からチューリップ恐慌が生じ,67年にはイギリス・オランダ戦争のあおりでロンドンにパニックが生じて銀行の取付けをみている。また,1720年にはフランスでロー・システムLaw’s Systemの崩壊,イギリスではサウス・シー・バブルスSouth Sea Bubbles事件(南海泡沫事件)とよばれる恐慌現象が生じたが,それらはともに国債軽減のために作られた独占的特許貿易会社の株式の投機的取引の発展と,イギリスではそれに伴う泡沫的株式会社(泡沫会社)の設立投機熱との崩壊によるものであった。…
※「チューリップ恐慌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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