相転移(一次)を起こす転移温度より高温になっても転移が起こらずもとの相(低温相)が存在する現象,またはその状態。沸点より高い温度に熱せられた液体が気体にならず液体(低温相)のままでいる状態は,その代表的な例である。このような過熱液体は,液体を静かに保ったまま非常にゆっくりと加熱することによって得ることができる。過熱状態は,転移温度より高温になっても低温相が準安定状態(熱力学的に最も安定というわけではないが,微小なゆらぎに対しては安定な状態)にとどまっているために起こり,過熱液体の場合も,外からある程度大きな衝撃を与えたりすると準安定状態がくずれて,爆発的に沸騰(突沸)することがある。逆に,転移温度以下になってももとの相(高温相)が存在する現象を過冷却という。
執筆者:小野 嘉之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
【Ⅰ】液体を沸点以上に加熱しても沸騰が起こらない状態.固形異物を含まない清浄な液体を,なめらかな内壁の容器中で加熱するときに起こりやすい.過熱状態が破れると,しばしば突沸を起こす.【Ⅱ】液体の沸点以上の温度に蒸気を加熱すること.[別用語参照]過熱蒸気
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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