チーホン・ザドンスキー(読み)ちーほんざどんすきー(その他表記)Тихон Задонский/Tihon Zadonskiy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チーホン・ザドンスキー」の意味・わかりやすい解説

チーホン・ザドンスキー
ちーほんざどんすきー
Тихон Задонский/Tihon Zadonskiy
(1724―1783)

ロシアの聖者。ノブゴロド近郊で堂守の息子として生まれる。1860年ロシア正教会により叙聖された。徴兵を逃れるため、14歳のときノブゴロド宗教学校に入る。34歳で修道司祭、1763年ボロネジ教区の主教となる。1767年ザドンスク修道院を退き、生涯、清貧で霊的指導を行う。聖書研究に没頭し、聖師父たちの著作、とくに『金口(きんこう)ヨハネ集』に多くを学んだ。彼は、権威主義に反対し、正教の「謙虚」、カトリックの十字架、プロテスタントの福音(ふくいん)主義を具現したといわれる。ドストエフスキーは彼に傾倒し、その代表作『カラマーゾフの兄弟』の主要な登場人物である長老ゾシマのモデルはチーホンであったという。

[田口貞夫 2018年2月16日]

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