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権威主義 けんいしゅぎ authoritarianism

翻訳|authoritarianism

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

権威主義
けんいしゅぎ
authoritarianism

政治の場では,支配関係を価値の優越者 (上級者) と下級者との縦の関係において構成していこうとする秩序原理および行動様式をいう。フロイト左派社会心理学者の一人であった T.アドルノは,権威主義ファシズム的兆候ととらえ,そこには力に対する追従・服従とサディズム的懲罰や弱い者いじめとの奇妙な複合がある,としている。

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デジタル大辞泉の解説

けんい‐しゅぎ〔ケンヰ‐〕【権威主義】

権威を絶対的なものとして重視する考え方。権威をたてにとって思考・行動したり、権威に対して盲目的に服従したりする態度。

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百科事典マイペディアの解説

権威主義【けんいしゅぎ】

社会現象をそれ自体客観的に把握(はあく)するのではなくて,一定の権力・威光に従って意味づけようとする思考・行動様式。多くの場合,強者の権威に追従しやすい。この態度によって統一されたパーソナリティ構造を権威主義的パーソナリティと呼ぶ。

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世界大百科事典 第2版の解説

けんいしゅぎ【権威主義 authoritarianism】

権力が,時に強制力の行使をも予定することによって,自己の優越性を人々に承認させるのに対し,権威みずから有する価値を社会の大部分の人に自発的に承認されることによって成り立つ。人々は権威者に自発的に信従するだけでなく,自己を対象に積極的に同一化することによって,自己に欠如していると思われる威信を獲得し,補うことができると錯覚することがある。そこでは,権威者の価値体系に疑惑をもったり,不同意であることは反逆とみなされ,大部分の人から冒瀆(ぼうとく)であり罪悪であるとされる。

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大辞林 第三版の解説

けんいしゅぎ【権威主義】

権威をふりかざして他に臨み、また権威に対して無批判に服従する行動様式。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

権威主義
けんいしゅぎ
authoritarianism

一般的には、さまざまな社会現象に対して特定の権力と威光とを有するものをよりどころとして判断し行動をとる意識とパーソナリティーの結合を意味するが、社会科学的には、そのような意識とパーソナリティーとの結合が「どのような社会に、なぜ」生成するのかという点こそが、このことばの用いられる重要な根拠である。なぜなら、権威主義の社会的態度は、政治的には民主主義に反対する意味において「非民主的」であり、心理的には合理主義に反対する意味において「非合理的」であるからである。こうして、非民主的で非合理的な意識とパーソナリティーの結合体が典型的に生成してくるのは、ファシズムの社会である。現代社会をその内容において支える民主主義の諸制度と合理主義的な人間像とが、なんらかの理由で弱体化し危機に瀕(ひん)するとき、そこに権威主義の問題性が浮かび上がってくるといってよい。
 権威主義を特徴づけるものは次の点である。
(1)判断の根拠の外在性 それは権力者であり、恭順の対象としての権威として、つねに自己の外部に存在する。
(2)パーソナリティーの統合の不在 欲望と情動はつねに不安の影に脅かされている。
(3)サド・マゾヒズム 自分より「上位」の者に対しては無条件的かつ被虐的に服従し、自分より「下位」にある者に対しては全面的かつ加虐的な支配と攻撃の態度をとる。
(4)ステレオタイプ 社会は単純な縦の上下関係によってとらえられ、社会現象はすべて善悪、優劣、強弱、白黒に両極化されてとらえられる。
 それは、また、社会構造のなかでの客観的な位置の不安定性および自我の弱さに適合する社会的態度といってよいであろう。したがって、権威主義についての分析と研究は、フロムやアドルノらのそれにみられるように、典型的に高度資本主義社会における中産階級の人々の意識とパーソナリティーの結合へと焦点化されていた。それは、しかし、ワイマール体制の崩壊からヒトラー・ナチスの制覇に至るまでのドイツ中産階級の分析に局限されることなく、等しくファシズムへの途を歩んでいったイタリアや日本の中産階級の社会的態度の分析と研究としても深められなければならないものであろう。権威主義は、それ自体、ファシズム、自民族中心主義(エスノセントリズム)、排外的愛国主義(ショービニズム)などの反民主主義の合流点であり、同時に、現代資本主義社会の諸矛盾をそれらへと媒介する結節点なのである。[田中義久]
『T・W・アドルノ他著、田中義久他訳『権威主義的パーソナリティ』(1980・青木書店) ▽E・フロム著、安田一郎訳『権威と家族』(1977・青土社)』

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