ツォツィル族(読み)ツォツィルぞく(その他表記)Tzotzil

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツォツィル族」の意味・わかりやすい解説

ツォツィル族
ツォツィルぞく
Tzotzil

メキシコ南部,チアパス州の高地に住むマヤ語系の一民族。人口約 30万と推定される。植民地時代にスペイン人の支配に対してしばしば対抗し,また,長年にわたるメキシコ政府の同化政策にもかかわらず,伝統的生活を維持し続けてきた。近年,人類学的研究が多くなされるようになったが,特にツォツィル族の村の一つシナカンタンにおける総合調査は有名である。トウモロコシ農耕を中心にかなり豊かな農民社会を形成している。特産品のモモやその他の換金作物,工芸品なども産し,市場交易体系も発達している。古来ツォツィル族は高地産の塩の専売通商で知られていた。余剰生産物は家畜の購入にあてられ,家畜の保有数は富の象徴となる。村単位の自律性が高く,それぞれ独自の生活様式をもつが,祭礼や市が村落間相互の交流の場となっている。社会的あるいは宗教的奉仕活動によって個人の地位が上昇する階梯制があり,成層化された社会である。宗教や世界観などはマヤ族の伝統を強く受継いでおり,シャーマンは重要な役割を果している。

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