ツビンガー(読み)つびんがー(英語表記)Zwinger ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツビンガー」の意味・わかりやすい解説

ツビンガー
つびんがー
Zwinger ドイツ語

一般名詞としては、中世の城の外壁内壁の間に設けた保塁のこと。転じて、市の外壁と堀の中間にあって、祝祭や競技に使用される空き地をさす。固有名詞としては、ドイツのドレスデンにあるツビンガーが有名。これは、二階建ての四つのパビリオンをつなぐ一階建てのギャラリーに取り囲まれた祝祭用の内庭だが、今日ではこの建物をもツビンガー(宮殿)とよぶ。ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世の命で建てられた(1709~18)この建物はペッペルマン建築、ベルモーザ装飾彫刻によるドイツ・バロックを代表する建造物として知られ、現在、ドレスデン絵画館の一部がここにある。

[野村太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android