普及版 字通 の解説
11画
[字訓] ほしいまま・たくましい
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(呈)(てい)。は祝を収める器((さい))を捧げて、天に向かって祈ることをいう。〔説文〕二下に「ずるなり」とし、「楚にては疾行を謂ひてと爲す」と方言を以て解し、また〔左伝、昭十四年〕「何ぞ欲を(ほしいまま)にせざるあらん」の文を引く。勝手なことを祈ることをという。
[訓義]
1. ほしいまま、ほしいままにする。
2. たくましい、たくましくする、きわめる、強く求める。
3. はやい、とおる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 タクマシ・ノブ 〔立〕 ツクス・ココロヨク・キハマレリ・サトル・タクマシ・ノブ・ココロナシ・イタマシ 〔字鏡集〕 ノブ・トホル・ココロヨシ・トク・ホシイママ・ツクス・サトル・カヨフ・タシカナリ・タクマシ・トシ・キハマル・トクユク・ウス
[語系]
thieng、盈jiengは声義に通ずるところがあり、〔左伝、昭二十三年〕の「沈子」の「」を〔公羊伝、昭二十三年〕に「楹」、〔穀梁伝、昭二十三年〕に「盈」に作り、〔左伝、襄十四年〕の「欒盈」を〔史記、晋世家〕に「欒」に作る。ともに暢遂の意がある字である。
[熟語]
意▶・威▶・快▶・願▶・奇▶・兇▶・刑▶・功▶・才▶・材▶・残▶・志▶・施▶・肆▶・酒▶・縦▶・心▶・卒▶・能▶・筆▶・兵▶・暴▶・勇▶・欲▶・慾▶・露▶・弄▶
[下接語]
横・驕・勁・巧・好・不
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報