ティンクトーリス(読み)てぃんくとーりす(その他表記)Johannes Tinctoris

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ティンクトーリス」の意味・わかりやすい解説

ティンクトーリス
てぃんくとーりす
Johannes Tinctoris
(1435ころ―1511)

フランドルの音楽理論家、作曲家。ナポリ王の宮廷などで活躍し、ミサ曲モテトゥスシャンソンを作曲したが、むしろ音楽理論家としての活動がより重要である。現存する12編の音楽理論書のうち、『音楽用語定義集』Terminorum musicae diffinitorium(1472/73ころ執筆)は、印刷された最古の音楽辞典として名高い。ほかに、作曲技法、記譜法、旋法、演奏法など、当時の音楽のさまざまな側面に関する理論書もある。そこでは音楽への姿勢や記述法などに合理的な面がみられ、ティンクトーリスがルネサンス最初の音楽理論家であったことを示している。

[今谷和徳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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