日本大百科全書(ニッポニカ) 「デカルトの符号法則」の意味・わかりやすい解説
デカルトの符号法則
でかるとのふごうほうそく
実数を係数とするn次方程式
f(x)=a0xn+a1xn-1+……+an=0
の正の解の個数についての法則。実数係数の方程式の正の解の個数は、その係数a0,a1,……,anの符号の変化の数Nに等しいか、またはNより偶数個だけ少ない。ただし重複解はその重複度も入れて考えることにする。たとえば、
x4+3x3-x2-5x+2=0
で、係数の符号を取り出すと、+、+、-、-、+となっていて、符号の変化(+から-に、-から+に変わる回数)は2である。実際、この方程式は(x-1)(x+2)(x2+2x-1)=0と因数分解され、正の解の個数は2である。
f(x)=0の負の解の個数を知りたいときにはxに-xを代入してf(-x)=0をつくり、これの正の解の個数を知ればよい。さらに詳しい研究はフーリエ、スチュルムによってなされているが、デカルトの法則がいちばん簡単で使いやすい。
[寺田文行]