デッカ(その他表記)Decca

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デッカ」の意味・わかりやすい解説

デッカ
Decca

電波航法の一つ。イギリスで開発された長波を利用する中近距離用の航行援助システム。オメガロランと同じく,双曲線電波航法の原理によるもので,デッカ局 (4局で1チェーンを構成する) の主従局から発射される電波の位相差をデッカ受信機で測定し,デッカチャートにより船位を決定する。測定精度が高く,受信機の操作が簡単で,連続測定が可能である。 70~130kHzの周波数帯を用い,有効範囲は昼間 590カイリ,夜間 350カイリである。

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改訂新版 世界大百科事典 「デッカ」の意味・わかりやすい解説

デッカ
Decca

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世界大百科事典(旧版)内のデッカの言及

【航法】より

…基本的には,位置の線の双曲線は,二つの電波の発信局からの到達時間差によって得ることができるが,現在の主流は到達電波の位相差を利用したものである。具体的には,時間差によるロラン方式,位相差によるデッカ方式,オメガ方式,デクトラ方式,デルラック方式などがある(ロランC方式は時間差と位相差の両方を用いている)。デッカ方式による位置決定の概念図を図3に示す。…

【電波航法】より

…また軍用で研究開発が進められたレーダーも45年以後一般に使われるようになった。 現在,船舶で用いられている電波航法には,無線方位航法,ロランA,ロランC,デッカ,オメガ,NNSS,それにレーダー航法があるが,このうち,レーダー航法の一部を除けば,収集する情報およびその利用は,測者の位置を求めること(測位)を目的としたものであり,電波測位システムといえるものである。電波を利用し,位置を決定する過程は,(1)測位原理に基づいた電波信号を送信し,その信号が受信地点に到達するまでの過程,(2)送信された電波を受信し,受信信号特性を測定する過程,(3)測定した受信信号特性から,送信局(あるいは反射物標)と測者の間の位置関係要素を求める過程(これにより位置の線が求められる),(4)複数の位置の線により,ある時刻の測者の位置を決定する過程,(5)求めた位置の精度が要求精度を満足しているか判断する過程の五つからなる。…

※「デッカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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