デハビランドDH-98モスキート(読み)デハビランドディーエイチきゅうじゅうはちモスキート(その他表記)De Havilland DH-98 Mosquito

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

デハビランドDH-98モスキート
デハビランドディーエイチきゅうじゅうはちモスキート
De Havilland DH-98 Mosquito

第2次世界大戦中,爆撃機,戦闘機,偵察機などの任務を果たした万能のイギリス軍用機。元来は爆撃機として開発された複座の双発機だが,戦闘機としても高速性能をいかして縦横に活躍した。 1940年 11月に初飛行した本機は機体が全木製で軽く,ロールスロイス・マーリン・エンジン (1680~1710馬力) 2基を搭載,最大時速 640km以上という速度性能をもっていた。 1941年から実戦に参加,フランスとドイツの上空を高速で駆け抜ける偵察飛行を行ない,ドイツの秘密兵器V-1ミサイルを発見した。爆撃機としては 1800kg爆弾を積んで 2400kmをこえる航続性能でドイツ各地を空襲,高速のため損失率はきわめて低かった。戦闘機としては翼を補強し,20mm機関砲4と 7.7mm機関銃4の重武装で,イギリス本土に攻めてくるドイツ機 600機以上と多数のV-1を撃墜した。とりわけレーダを装備して夜間戦闘に活躍した。生産数は国外でのライセンス生産も合わせて総計 7780機。

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