偵察機(読み)ていさつき(英語表記)reconnaissance aircraft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

偵察機
ていさつき
reconnaissance aircraft

肉眼あるいは光学器機,電波,電子装置,写真,テレビジョンなどによって敵情を上空から偵察するためにつくられた軍用機情報収集機とも呼ばれる。人工偵察衛星が発達しても,写真などの解像力に限度があり,また特定目標の精密偵察が必要になることもあるため,偵察機の利用は当分続くものと思われる。用途によって多くの種類があるが,航続距離が長く,高速であることが要求される。種類としては,アメリカ合衆国のロッキードU-2のように戦略情報をとる遠距離用の大型戦略情報機,さらにアメリカのロッキード SR-71ブラックバードのように最大速度マッハ 3.3,航続時間マッハ3で1時間 30分,作戦高度2万 4000mという高性能偵察機も出現した。ほかにかぎられた地域や戦場を偵察する近距離用の戦術偵察機,写真偵察機,電子偵察機,海洋哨戒偵察機などがある。

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百科事典マイペディアの解説

偵察機【ていさつき】

敵情の探察を任務とする軍用機。戦略偵察機,戦術偵察機の別があり,初め乗員の目視によったが,今日ではすべて高性能のカメラを装備し,写真を記録・分析する。敵のECM(敵の電磁波兵器を妨害する手段としての〈電子対策〉)やレーダーなどのデータを収集して対抗策を講ずるための電子偵察機もある。また敵の制圧地域上空での偵察行動の困難から,無線操縦または記憶装置による自動操縦で行動する無人偵察機も出現している。1960年代以後は偵察衛星が多用されている。→無人機
→関連項目軍用機

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世界大百科事典 第2版の解説

ていさつき【偵察機 reconnaissance aircraft】

上空からの写真偵察やレーダーによる電子情報の収集を主目的とする軍用機で,一般に敵の対空火器を避けるために高空の高速性能と低空の運動性能に優れる。第1次大戦以来,軍用機はまず地上部隊を支援する偵察を目的として発達した。初期の偵察機はおもに肉眼で前線の状況や,射撃の弾着の観測を行うものであったが,現在の偵察機は写真・電子偵察を主任務として武装されている。 第2次大戦後,偵察機の存在を世に知らしめたのは,1960年5月1日にソ連領内で偵察飛行中のアメリカ空軍のロッキードU2が撃墜されて操縦士が捕虜となった〈U2型機事件〉であった。

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大辞林 第三版の解説

ていさつき【偵察機】

敵情偵察・写真撮影などを任務とする軍用機。通信・写真・レーダー・逆探知器などの特殊装備のあるものが多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

偵察機
ていさつき
reconnaissance aircraft

敵の状況を探るための軍用機。空からの敵情偵察はフランス革命戦争中の1794年に気球が使われたのが最初で、第一次世界大戦が始まると、誕生まもなかった飛行機が偵察用として大きな価値を認められ、そこから軍用機の歴史が始まった。偵察機を大別すると、地上部隊に密接に結び付き、周辺の監視や砲兵の弾着観測にあたる観測機(現在ではおもにヘリコプター)、戦域一帯を偵察する戦術偵察機、敵地の奥深くまで飛ぶ戦略偵察機の三つになり、無人機も一部では使われている。偵察の手段としてはカメラが長らく主体になっていたが、現在ではレーダーや赤外線装置なども用い、夜間や悪天候時の偵察能力が強化されている。また相手の発する電波を捕捉(ほそく)して、レーダーなど電子機器の能力を探り、通信の分析により動きを推測する電子偵察も重視され、平時においても電子情報収集機が活動を行っている。[藤田勝啓]

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