普及版 字通 「トウ・なみだ・みおくる」の読み・字形・画数・意味
10画
[字訓] なみだ・みおくる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
目から涙が垂れている形。涕(てい)はその形声字。〔説文〕四上に「目相ひぶなり」とし、字を隶(たい)の省に従うとする。(とう)・(逮)(たい)はともに「ぶ」と訓する字であるが、隶は獣尾を執り、その呪儀によって禍いを人に転じ及ぼす意であるから、とは関係がない。懷の初文(かい)は、死者の衣襟の間に(涙)を垂れて、その人を懐(おも)う意である。老いて妻なきを鰥(かん)といい、また兄を(こん)という。魚は女の象徴。その女にするを鰥といい、また弟にするものを(昆)というのであろう。
[訓義]
1. なみだ。
2. みおくる、およぶ。
[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 ノゾミミル
[声系]
〔説文〕に声として・の二字を収める。は声異なり、哀・襄・(衰)などと同じく会意の字である。
[語系]
・沓・dpは同声。沓(とう)は〔説文〕五上に「語多くして沓沓たるなり」とあり、・と声義が近い。疊(畳)dyapは多く重なる。すべてとどめなく重なる意をもつ語である。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報