最新 地学事典 「トランキリティアイト」の解説
トランキリティアイト
tranquillityite
化学組成Fe8(Zr, Y)2Ti3Si3O24の鉱物。メタミクト。空気中,800℃加熱により再結晶化。立方晶系,格子定数a0.485nm, 酸素席に空孔をもつ蛍石型で,ブラウン鉱に近い構造となる。真空中での加熱では,立方晶系がやや歪み,8倍の格子をとる(菱面体晶系,a0.94876nm, α88.57°)。比重4.83(計算)。ほぼ不透明,屈折率n2.11~2.13, 光学的等方~わずかに異方性,多色性なし。アポロ宇宙船により採集された月の石から発見。微小(65µm×15µm)な薄い短冊状結晶として玄武岩中に,後期結晶化過程の生成物として産出。間入型相としてトロイライトおよび金属・パイロクスフェロ石・クリストバライト・アルカリ長石を伴う。アポロ11号の採集地点,月面の静の海(Sea of Tranquillity)にちなみ命名。ジルコニウムをイットリウムが同形置換している例として特筆。
執筆者:宮脇 律郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

