トルコ絨毯(読み)トルコじゅうたん(その他表記)Turkish carpet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トルコ絨毯」の意味・わかりやすい解説

トルコ絨毯
トルコじゅうたん
Turkish carpet

トルコ,アルメニア地方で作られた絨毯。小アジア・カーペットともいう。セルジューク朝時代 (11~14世紀) よりカーペット産業が発達していたことが推察されるが,大きな発展をとげたのはオスマン時代であった。織り方は平織のキリム絨毯ノット (緯糸を経糸に回してからめる) 式のものがあるが,ノットはペルシアのノットより複雑なものが多い。デザインは一般に幾何学図文や幾何学的動植物文が使われ,縁どりにクーファ体 (クーファ文字) のアラビア文字を装飾的に配置したものもある。地の色は赤,紺が多く,文様には黄,緑,淡青色などが使われている。ヨーロッパで一般に小アジア・カーペットをホルバイン・カーペットと呼んだが,それは,ホルバインやその流派の画家たちがこのカーペットを好んで背景として描いたためである。主要産地はベルガマ,ウシャク,クルシェヒル,コンヤシバスなど。素材は緯糸は主として羊毛,経糸は木綿が一般的。

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