トヱヒラ(読み)とえひら

日本歴史地名大系 「トヱヒラ」の解説

トヱヒラ
とえひら

アイヌ語に由来する地名。河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入り標津村に包含された。仮名表記は「トヱヒラ」(「観国録」、玉虫「入北記」、「蝦夷日誌」一編)のほか「トヱビラ」(廻浦日記・行程記)、「トエピラ」(板本「東蝦夷日誌」)があり、「トエ平」(同書)もみられる。板本「東蝦夷日誌」は語義について「土平崩と云儀。此処シベツ川に崩落たる処なる故に号く」と記す。当地には小休所が設けられており、「観国録」に「トヱヒラ憩所アリ、前ニシヘツノ上流ヲ帯タリ」(安政三年八月一二日条)、「渓流ヲ跋渉シトヱヒラニ憩ス、此処北向ニシテシベツ川眼下ニ流レ、楊柳楓樹岸ヲ夾ミ山道中ノ絶景トモ言フ可シ」(同月二二日条)とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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