トンレン市(読み)トンレン(その他表記)Tongren

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トンレン市」の意味・わかりやすい解説

トンレン(銅仁)〔市〕
トンレン
Tongren

中国西南地方,クイチョウ(貴州)省北東部の都市。4県と 4自治県および 2市轄区からなる。中央部をファンジン(梵浄)山(2572m。2018世界遺産〈自然遺産〉)を主峰とするウーリンシャン(武陵山)山脈およびフォーティン(仏頂)山が占め,西麓をウー(烏)江が北流する。盆地や緩傾斜地でイネ,トウモロコシ,コムギダイズナンキンマメ,アブラナ,ワタ,チャ(茶)が栽培される。山地は木材,竹材のほか桐油(→アブラギリ〈油桐〉),漆,つばき油,蜂蜜,五倍子(→タンニン)を産する。渓流にはサンショウウオが生息。地下資源としてはトンレン市,ソンタオミヤオ(松桃苗)族自治県の水銀が知られ,トンレン市には水銀精錬工場がある。インチヤントーチヤ(印江土家)族ミヤオ(苗)族自治県にはアンチモンが埋蔵される。特産物としては,インチヤントーチヤ族ミヤオ族自治県の白皮紙と雨傘,スーナン(思南)県のしゅろうちわ(棕櫚団扇)と籐細工,ユイピントン(玉屏侗)族自治県の玉屏簫(笛の一種)などがある。南端をシヤンチエン(湘黔)鉄道が通る。人口 322万6961(1990)。

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