ドイツの俳優一族。ルートウィヒ Ludwig (1784~1832) はフォールスタッフを当り役とした個性的な俳優。彼の3人の甥のうちカルル・アウグスト Karl August (1797~1872) はドレスデンの宮廷劇場やカルルスルーエ,ハノーバーで活躍した俳優。その弟フィリップ・エドゥアルト Philip Eduard (1801~77) も性格俳優で,またドレスデン (44~46) やカルルスルーエ (52~70) の宮廷劇場の監督として,ドイツ古典劇やシェークスピア作品を上演。著書にドイツ最初の詳細な演劇史『ドイツ演劇史』 Geschichte der deutschen Schauspielkunst (5巻,48~74) がある。末弟グスタフ・エミール Gustav Emil (1803~72) は 1831~68年の 40年近くをドレスデン宮廷劇場の主演俳優として活躍。エドゥアルトの子オットー Otto (1838~94) は,初め父のカルルスルーエ劇場に出演,73年からワイマール宮廷劇場で,ファウストなどにすぐれた演技を見せた。カルルの子マックス Max (1857~1929) は,82年からウィーンのブルク劇場に出演,シェークスピア,ゲーテ,シラーなどの悲劇に主演した。