日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドグレル」の意味・わかりやすい解説
ドグレル
どぐれる
Léon Degrelle
(1906―1994)
ベルギーの政治家。フランス国境近くのブイヨンに生まれる。フランスの右翼アクシオン・フランセーズの影響を受け、1933年ベルギーのファッショ団体「王キリスト軍団」Légion Rex Christiに加わる。1936年レックス(Rex)党党首として総選挙に臨み、27万票、21議席を獲得した。1937年ムッソリーニのローマ進軍をまねて「ブリュッセル進撃」を試みたが失敗、1939年の総選挙では4.5%しか得られなかった。第二次世界大戦勃発(ぼっぱつ)直後、政府によって逮捕されフランスに移送されたが、1940年ドイツ軍によって解放され、政治活動を再開した。1941年にはベルギー人からなる「ワロン軍団」を編成、ナチス親衛隊の一翼(SS装甲師団「ワロニー」と改称)として独ソ戦に参加した。ドイツ敗戦後、スペインに亡命したが1945年国家反逆罪で死刑の判決を受けた。1954年フランコ政権から亡命庇護権を受け、コスタ・デル・ソル地方で余生を過ごしていた。
[藤村瞬一]