日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブイヨン」の意味・わかりやすい解説
ブイヨン
ぶいよん
bouillon フランス語
野菜、肉、骨、魚貝類の煮だし汁のこと。西洋料理のもっとも重要な基本の材料の一つで、ソースやスープのもとになる。通常、肉(牛肉、鶏肉、子牛肉などを1種または組み合わせて使う)、香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリ、パセリ、リーキネギなど)、スパイス、食塩少量を鍋(なべ)に入れて水を加え、火にかけてゆっくりと煮だす。あくや浮き脂肪をすくいとりながら、鶏肉1~2時間半、牛肉3時間以上、牛骨8時間以上火にかけて、うま味を引き出す。この漉(こ)し分けた汁をブイヨンとよび、コンソメやソースの素汁に用いたり、調味してスープとして食卓に出す。魚のブイヨンは白身魚の中骨を香味野菜、レモン、白ワインとともに、水から煮だして漉したもので、魚料理の下地に用いる。
[小林文子]