ナゴルノカラバフ紛争(読み)なごるの・からばふふんそう(その他表記)Nagorno-Karabakh clashes

共同通信ニュース用語解説 「ナゴルノカラバフ紛争」の解説

ナゴルノカラバフ紛争

アルメニア住民が多いアゼルバイジャン南西部のナゴルノカラバフを巡る民族紛争。1921年にアゼルバイジャンの自治州となるが、ソ連が崩壊した91年にアルメニアの支持を受けたアルメニア人勢力が「ナゴルノカラバフ共和国」の樹立を宣言、アゼルバイジャンと全面戦争になった。94年の停戦後も衝突が繰り返された。アゼルバイジャンは2020年9月、ナゴルノカラバフと周辺地域を大規模攻撃、11月、アルメニア側が実効支配地域の多くを引き渡す形でロシア仲介の停戦合意が成立した。(共同)

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知恵蔵mini 「ナゴルノカラバフ紛争」の解説

ナゴルノ・カラバフ紛争

黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地域にあるアゼルバイジャンとアルメニアの二国間で約30年にわたって続く、領土を巡る武力紛争のこと。紛争の背景には、イスラム教シーア派が主流のアゼルバイジャンに対し、アルメニアはキリスト教徒が多数を占めるという民族・宗教的な違いが影響しているとされる。同地域には旧ソ連時代に「ナゴルノ・カラバフ自治州」が設置されており、アゼルバイジャンの自治州だったが、多数派を占めるのはアルメニア人で、1980年代後半、彼らがアルメニアへの編入を訴え武装闘争を開始した。91年のソ連崩壊後には主権を巡って両国間で軍事的な衝突が起き、多くの犠牲者と難民が発生した。94年、ロシアなどの仲介で一度は停戦合意が実現したが、その後も散発的に両国による武力衝突が起きている。同地域は国際的にはアゼルバイジャンの領土として認められているが、現在までアルメニアが周辺地域を含めて実効支配しており、2020年に勃発した両国の軍事衝突は1994年の停戦以降、最大規模とされる。

(2020-10-20)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナゴルノカラバフ紛争」の意味・わかりやすい解説

ナゴルノ・カラバフ紛争
なごるのからばふふんそう

ナゴルノ・カラバフ戦争

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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