ナンマールバール(その他表記)Nammāḻvār

改訂新版 世界大百科事典 「ナンマールバール」の意味・わかりやすい解説

ナンマールバール
Nammāḻvār

中世南インドのタミル地方で活躍したビシュヌ教の聖者。生没年不詳。9世紀後半~10世紀前半の人。南インドのビシュヌ教団シュリーバイシュナバ派の開祖とされる。別名シャタコーパŚathakopa。《ティルバーイモリ》ほか3編の宗教詩があり,これらはすべてビシュヌ教の聖典ナーラーイラディブヤプラバンダム(四千頌歌集)》に収められている。彼の作品は哲学的傾向が強く,のちのビシュヌ教神学に大きな影響を与えた。
ビシュヌ派
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 徳永

世界大百科事典(旧版)内のナンマールバールの言及

【アールワール】より

…7世紀ころから南インド,とくにタミル地方のビシュヌ派の一つであるシュリーバイシュナバ派Śrīvaiṣṇavaの形成に絶大な影響を与えた一群の宗教家たちのことで,〈神を直証する人〉を原義とする。ティルマンガイ,ナンマールバールなど12人を数えるが,中でもナンマールワールが有名である。彼らはビシュヌ派の諸寺院をめぐり,献身的な信愛(バクティ)の念にあふれたタミル語の詩を吟唱する神秘主義的な宗教詩人で,みずからの宗教的情感の高まりの中で,ビシュヌ神像の前でエクスタシーに陥り,気を失って倒れることがしばしばであったという。…

※「ナンマールバール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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