デジタル大辞泉 「ぬっくり」の意味・読み・例文・類語 ぬっくり [副]1 あたたかそうなさま。ぬくぬく。「嫁の手織を―と着る」〈住吉みやげ〉2 あつかましいさま。ぬけぬけと。「右大将の威をかって、御辺―とまらんとや」〈浄・嫗山姥〉3 うまく事を行うさま。「御褒美恩賞方図は知れぬ。是を―と持たせて置く」〈浄・振袖始〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「ぬっくり」の意味・読み・例文・類語 ぬっくり [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )① 物に覆われたりして暖かそうに見えるさまを表わす語。ぬくぬく。[初出の実例]「ぬっくりと・をとがいも巻く綿帽子」(出典:雑俳・替狂言(1702))② 周囲をはばからず、図太いさま、あつかましいさまを表わす語。ぬくぬく。[初出の実例]「ぬっくりと雪舟に乗たるにくさ哉〈荷兮〉」(出典:俳諧・曠野(1689)五)「平家を亡せ入道を殺せなんど、俊寛を始人をかたらひ、ぬっくりとしたことたくまれし」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)四)③ 財物などが豊かで思うままであるさま、思う存分であるさまを表わす語。[初出の実例]「帝へ上れば御褒美恩賞方図は知れぬ。是れをぬっくりと持たせて置く」(出典:浄瑠璃・日本振袖始(1718)三)[ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ]①から転じて ) ぼんやりした者。まぬけ。[初出の実例]「今朝から庄屋のぬっくりは見えなんだか」(出典:浄瑠璃・摂津国長柄人柱(1727)四) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例