ネフティス(読み)ねふてぃす(英語表記)Nephythys

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネフティス」の意味・わかりやすい解説

ネフティス
ねふてぃす
Nephythys

エジプト神話で、原初の女神の一つ。ネフティスというのはプルタルコスらが伝えたギリシア語音で、原語に従えばネブト・フート(「宮殿の女主人」の意)。「オシリス神話」でオシリスを殺した弟セトの妻であるが、兄のオシリスの妻イシスに同情し、ともにオシリスの遺体を捜し求めた。そのため死者の神として、ミイラを収めた柩(ひつぎ)にはイシスとともに翼を広げて死者を守る姿が彫像浮彫り、彩絵などで表されている。プルタルコスによれば、ネフティスは死者の守護神の金狼(きんろう)犬アヌビスの母でもある。頭上に「宮殿」を表すヒエログリフ(象形文字)をのせた姿で表される。上エジプト第七地区の首都フート(ギリシア名ディオスポリス・パルバ)の守護神。

矢島文夫


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android