日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノルマンディー号」の意味・わかりやすい解説
ノルマンディー号
のるまんでぃーごう
Normandie
フランスのフレンチ・ライン所属の豪華客船。1935年にサン・ナゼールのペノー造船所で建造。7万9280総トン、長さ313.8メートル(1029フィートで、1000フィートを超えた第一船)、16万馬力、甲板数11層、乗客2170人、乗員1320人。重油たき29個のズルツァー単管ボイラーによる蒸気を用い、四基の蒸気タービン発電機を使用、電力推進による4本の推進器駆動の新方式を採用した。
第一次と第二次世界大戦の間の期間、各国が豪華客船建造とその速力競争を展開していた当時に、フランスの代表として建造されたノルマンディー号は、1935年5月29日、ル・アーブル、サウサンプトンからニューヨークへの処女航海に就航、シェルブールのビショップ岩礁からニューヨークのアンブローズ水路灯台船までの2971海里を4日3時間02分、平均29.98ノットで横断、西航の大西洋ブルーリボン記録をたてた。さらに37年7月に同区間を3日23時間02分で横断、平均30.58ノットで記録の更新がなされた。
[茂在寅男]