蒸気(読み)ジョウキ

デジタル大辞泉 「蒸気」の意味・読み・例文・類語

じょう‐き【蒸気/蒸汽】

液体蒸発固体昇華によって生じる気体
水蒸気」に同じ。「やかんから―が立ち上る」
蒸気機関車」「蒸気船」の略。
[類語]湯気湯煙水蒸気

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精選版 日本国語大辞典 「蒸気」の意味・読み・例文・類語

じょう‐き【蒸気・蒸汽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物質の気体の状態。液体または固体から蒸発または昇華によって発生した気体。蒸発気。
    1. [初出の実例]「常に腠理汗孔より発泄する蒸気〈略〉皮裏に留滞して外洩すること能わず」(出典:形影夜話(1810)上)
    2. [その他の文献]〔越王貞‐奉和聖制過温湯詩〕
  3. すいじょうき(水蒸気)」の略。
    1. [初出の実例]「蒸気とは湯気なり」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉初)
  4. じょうききかん(蒸気機関)」の略。
    1. [初出の実例]「蒸気(ジャウキ)の舩(ふね)や車のしかけなんざアおそれいったもんだネ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初)
  5. じょうきせん(蒸気船)」の略。
    1. [初出の実例]「直に汽船(ジャウキ)で下の関へ廻る」(出典:文明田舎問答(1878)〈松田敏足〉鉄道)
  6. じょうきしゃ(蒸気車)」の略。
    1. [初出の実例]「トよき程に蒸汽の出る笛になり」(出典:歌舞伎・繰返開花婦見月(三人片輪)(1874)三幕)

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改訂新版 世界大百科事典 「蒸気」の意味・わかりやすい解説

蒸気 (じょうき)
vapor

気体と同じ意味で使われるが,厳密にはその物質の臨界温度以下にあり,圧縮によって液化しうる気体の状態を蒸気,それ以上の温度にある場合を気体と呼んで区別する。たとえば水蒸気,アルコール蒸気などという。俗に蒸気といえば水蒸気を指す。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蒸気」の意味・わかりやすい解説

蒸気
じょうき
vapor

通常は固体または液体として存在する物質の一部が、気化したものをいう。気体の別称であるが、アルゴン水素などのように常温・常圧下で気体であるものについては、普通この語は用いない。単に蒸気という場合は水蒸気をさすことが多い。蒸気ポンプ、蒸気機関車などは水蒸気の意味で用いている。

山崎 昶]

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百科事典マイペディア 「蒸気」の意味・わかりやすい解説

蒸気【じょうき】

物質の気体の状態をいい,特に臨界温度以下で存在する気体をさすことが多い。また水蒸気のことを単に蒸気とも。
→関連項目蒸気機関蒸気タービン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蒸気」の意味・わかりやすい解説

蒸気
じょうき
vapour

一般に沸点があまり高くなく,比較的容易に液化しうるような物質が気体になったもの。たとえば水,アルコールが蒸気になったものは,それぞれ水蒸気,アルコール蒸気という。なお一定の温度で液相,または固相平衡にある蒸気相の圧力のことを蒸気圧という。ボイラで急激に水蒸気をつくる場合などには,飽和水蒸気の一部に小さな水粒 (液相) を浮べている場合があるが,このようなものは,湿り蒸気といわれる。

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化学辞典 第2版 「蒸気」の解説

蒸気
ジョウキ
vapor

通常,常温で液体(または固体)である物質の気体をいう(例:水蒸気,水銀蒸気,ヨウ素蒸気).相平衡論では,その物質の沸点とは関係なく臨界温度以下にある気体,すなわち,単に圧力の増加により液化できる状態にある気体を液体との対応において蒸気という.蒸気は気体に相違ないが,気体と同義語ではない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

普及版 字通 「蒸気」の読み・字形・画数・意味

【蒸気】じようき

ゆげ。

字通「蒸」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の蒸気の言及

【気体】より

…また,気体は,固体,液体と違い容易に圧縮することができる。液体固体
【気体に関する研究の歴史】
 水を熱すると水蒸気になり,冷やすと氷になることは古代人にも認識できた現象であろう。しかし,このような物質の状態変化が学問として研究されるようになったのは比較的歴史が浅く,熱学が発展し始めた18世紀半ばごろからである。…

※「蒸気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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