翻訳|Southampton
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イギリス、イングランド南部にあるユニタリー・オーソリティーUnitary Authority(一層制地方自治体)の港湾都市。日本ではサザンプトンともいう。人口21万7478(2001)。イギリス海峡に臨み、対岸にフランスを控える。ワイト島を自然の防波堤とするサウサンプトン湾の湾奥に位置し、天然の良港をなす。また首都ロンドンから南西約110キロメートルと便利な条件を備え、ローマ時代から重要な港町として発展した。ロンドンの外港で、とくに船舶交通が盛んであった第二次世界大戦までは、大西洋航路におけるイギリスの玄関口として栄えた。造船、船舶修理、船舶機械をはじめ、石油精製、電気機械、合成ゴム、航空機製造などの工業が立地する。美しい港湾で、ローマの遺跡に富むほか、ノルマンの城壁や14世紀の聖ミカエル教会などがある。サウサンプトン大学の所在地。
[久保田武]
すでに紀元1世紀にローマ人の町クラウセントゥムができ、早くから海外貿易を行っていた。その跡にサクソン人の町ハムトゥンHamtuneが生まれ、国王の特権都市となった。最古の特許状は1155年のもので、この時期から十字軍や百年戦争のための軍港として発展した。1295年以降は議会に代表を送り、中世末には地中海貿易で繁栄した。1620年にはメイフラワー号に乗ったピルグリム・ファーザーズがここから旅立った。その後一時停滞したが、1840年にロンドンとの間に鉄道が開通、ロンドンの外港となり、港湾都市としての繁栄を取り戻した。第二次世界大戦中はアメリカ海軍の基地となり、ドイツ軍の空襲を受けて大きく破壊された。
[青木 康]
イギリス南部,ハンプシャー南部海岸にある港湾都市。ササンプトンともいう。人口30万4400(2001)。イギリス海峡の入江であるサウサンプトン湾の湾頭に位置し,ワイト島との間のソレントおよびスピットヘッド両水道の潮流によって,湾内の水深が大きく保たれるため,天然の良港をなす。イギリス有数の商業港であり,特に大西洋航路の豪華旅客船のターミナルとして知られ,付近の海上はヨットの帆走適地である。また造船業をはじめ,精油,航空機,食品加工などの工業も発達する。現市街はテスト川とイチン川の合流点を中心に展開するが,ローマ時代の集落はイチン川の東岸に建設され,中世にはウィンチェスターの外港として発達。1620年にはアメリカ建国の祖ピルグリム・ファーザーズのメーフラワー号の出航地ともなった。18世紀には温泉保養地へと衰退したものの,1831年のローヤル埠頭の建設,40年のロンドンとの鉄道開通によって近代港湾として復活した。市内にはノルマン時代の城壁と北門Bar Gateのほか,セント・ミカエル教会などがある。第2次世界大戦中の爆撃で旧市街の4分の3が破壊された。
執筆者:長谷川 孝治
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