世界の観光地名がわかる事典 「ノルマン宮殿」の解説 ノルマンきゅうでん【ノルマン宮殿】 イタリア南部、シチリア島北西部の都市パレルモ(Palermo)にある宮殿。シチリア島は西ローマ帝国滅亡後に東ローマ帝国領となったが、9世紀に北アフリカから侵入したサラセン人によってイスラム王朝が築かれ、このとき、パレルモは首都となった。この宮殿は、イスラム王朝下で建設されたものである。12世紀、南イタリアにやってきたノルマン人がイスラム勢力を駆逐してルマン・シチリア王国(オートヴィル朝)を築いたが、このアラブの宮殿はノルマン王朝のルッジェーロ2世によって改築され、アラブとヨーロッパの建築様式が融合した独特の宮殿となった。天井や柱は金銀をふんだんに使用したモザイク画で装飾されている。3階のルッジェーロ王の間にある狩猟風景や植物を描いたモザイクの壁画は、一見の価値があるといわれる。なお、同宮殿はその後16世紀に修復され、ヨーロッパの各王家や総督の居城として使われた。現在はシチリア州議会の議場として使用されている。また、パラティーナ礼拝堂はこの宮殿内にある。 出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報