改訂新版 世界大百科事典 「ハネゴケ」の意味・わかりやすい解説
ハネゴケ
苔類のハネゴケ科ハネゴケ属Plagiochilaの総称。苔類の中で最大の属で,世界に約1600種が記録され,地域的な固有種が多い。日本には約20種ある。葉は瓦状に重なり,鋸歯縁をもつ。腹葉は痕跡的。花被は左右に扁平で,広い口をもつ。マルバハネゴケP.ovalifolia Mitt.は全国に普通に産し,陰湿な土上や岩上に群生する。植物体は緑色~緑褐色,茎は斜上し,長さ2~5cm。葉は卵形で,葉縁に多数の小さい鋸歯がある。コハネゴケP.japonica Lac.は本州以南の低地の普通種で,岩上や樹幹上に生育する。植物体は黄緑色,茎は匍匐(ほふく)~斜上し,長さ2~3cm。葉は長卵形で,葉縁に少数の大きく鋭い鋸歯がある。
執筆者:北川 尚史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報