苔類(読み)コケルイ

世界大百科事典 第2版の解説

たいるい【苔類 liverwort】

コケ植物の1綱で,ゼニゴケマキノゴケツボミゴケなどを含む。配偶体は一般に匍匐(ほふく)し,葉状または茎と葉が分化している。仮根rhizoidは単細胞。葉は茎の両側面と腹面の3列につくが,腹面の葉(腹葉という)は退化しているものが多い。葉は1層の細胞からなり,中央脈を欠く。葉には全縁のもの,さまざまに切れこんだもの,折れたたんだもの,袋状となったものなどがあり,その形態はきわめて多様である。細胞は多数の葉緑体とともに,精油を含む油体という類に特有の構造体をもつ。

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大辞林 第三版の解説

たいるい【苔類】

コケ植物のうち、概して茎を欠き、茎があっても多少軸状の形態をなすにとどまり、葉状扁平の体をなすもの。子囊しのうの中に胞子とともに弾糸が形成され、熟すと四裂して胞子を飛ばす。代表種はゼニゴケ・ジャゴケ・ウキゴケ・ウロコゴケなど。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

苔類
たいるい

(せん)類、ツノゴケ類と並ぶコケ植物の一群。植物体は葉状体になるもの(ゼニゴケ類、フタマタゴケ類)と茎葉体になるもの(ウロコゴケ類など)がある。組織の細胞には多数の葉緑体を含むほか、灰白色や褐色、青色などの油体も含む。胞子体は葉緑体がきわめて少なく、胞子を飛ばすとすぐに枯れる。(さく)は四裂するのが普通で、の中には胞子と、糸状で2本の螺旋(らせん)糸をもつ弾糸がある。胞子が発芽してできる原糸体は数個の細胞からなり、この先端に幼植物が形成される。全世界で約7000種が知られており、このうち日本には約600種がある。[井上 浩]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こけ‐るい【苔類】

たい‐るい【苔類】

〘名〙 コケ植物門の一綱。配偶体は、一部のものでは茎・葉に分化するが、多くのものでは分化せず葉状体を形成し、仮根、糸状体の発達はあまりよくなく、細胞中には油体が含まれる。蔵精器・蔵卵器は長い柄をもった雄器床雌器床上に生じ、これを俗にこけの花と呼ぶ。また、ゼニゴケ類ともいう。
※具氏博物学(1876‐77)〈須川賢久訳〉一「気候常に寒冽なるを以て極地の苔類等を生長す」

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世界大百科事典内の苔類の言及

【コケ植物(苔植物)】より

…蘚苔類(せんたいるい)ともいい,系統上は,水中に生活する藻類と陸上に生活する維管束植物との中間に位置し,一般に陰湿な環境を好む小型の植物で,植物界の両生類ともいわれる。生殖器官が多細胞で,受精卵が母体内にとどまり,その後の発生も母体から養分を吸収して行われる点で,藻類と異なる。…

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