バイオ脾臓(読み)ばいおひぞう

知恵蔵mini 「バイオ脾臓」の解説

バイオ脾臓

磁石を使って血液から細菌毒素を取り除くとされている、体外装置の通称。血液中の異物を取り去る働きを持つ脾臓(ひぞう)のような働き方をするため、こう呼ばれる。2014年9月14日、米国ハーバード大学などの研究チームにより「バイオ脾臓」に関する論文が、イギリスの医学誌「Nature Medicine」に発表された。病原菌や毒素と結合する人間の血清タンパク質「マンノース結合レクチン(MBL)」でコーティングされた磁性微粒子を患者の体内に注入し、病原菌などと結びついたMBLを磁力を使い引き抜、血液を浄化させる仕組み。生きたラットを用いた実験では、この装置により90%の有害細菌を血液中から除去できたという。敗血症治療のために開発され、他にもエボラウイルスやヒト免疫不全ウイルス(HIV)など幅広い種類の病原体や、死んだ病原菌の断片・毒素なども速やかに血液中から除去できる可能性がある。

(2014-9-17)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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