デジタル大辞泉 「異物」の意味・読み・例文・類語 い‐ぶつ【異物】 1 普通とは違ったもの。違和感を与える奇異なもの。2 体内に入ってきて、または体内に発生して、周囲の体組織になじまないもの。「目に異物が入る」「腹部の異物を摘出する」3 死体。死骸しがい。「忽ち―と為って、木石と異なること無し」〈童子問・中〉 こと‐もの【異物/異者】 別の物。ほかの物。また、別の人。「あはれなる手など弾き給へるに、―の声どもは止やめて」〈源・須磨〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「異物」の意味・読み・例文・類語 い‐ぶつ【異物】 〘 名詞 〙① そのものと関係のない別個のもの。[初出の実例]「かぜの歌は思ふ事を異物にあたりてよりあらはす歌也」(出典:竹園抄(13C後))[その他の文献]〔管子‐小匡〕② 非日常的なもの。違和感を与えるような奇異なもの。連歌論に多く見られる。[初出の実例]「異物、常に用ゐざる所の鬼風情の物也」(出典:連理秘抄(1349))③ 死体。屍(しかばね)。または、あの世のもの。幽鬼。[初出の実例]「東壁已二異物一、先生亦此下世」(出典:南郭先生文集‐二編(1737)九・答富春叟)④ その本来の組織と性格を異にするもの。(イ) 体外からはいる食物以外のもの。針、魚骨など。また、体内に発生する異常な組織。癌(がん)、結石など。[初出の実例]「Allotriuria 尿中異物」(出典:医語類聚(1872)〈奥山虎章〉)(ロ) ごみ、ほこりなど。[初出の実例]「機能上故障の起因たるべき要部を検し〈略〉若は異物の介在し易き部分の手入を行ひ」(出典:歩兵操典(1928)第二二三) こと‐もの【異物・異者】 〘 名詞 〙① ( 異物 ) 異なる物。別の物。ほかの物。[初出の実例]「さればこそこともののかはなりけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))② ( 異者 ) 異なる者。別の者。また、他の一般の人。[初出の実例]「ねびととのひ給へる御かたち、いよいよことものならず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)鈴虫) いな【異】 物(もの) ( 連体詞「いな」に形式名詞「もの」が付いたもの ) 普通では考えられないもの。変なもの。妙な具合。〔文明本節用集(室町中)〕[初出の実例]「縁はいな物其の時に、起請一枚書かねども」(出典:浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)夢路のこま) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例