バス・ダンス(その他表記)basse danse

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バス・ダンス」の意味・わかりやすい解説

バス・ダンス
basse danse

ルネサンス後期の代表的な宮廷舞踊。バス (「低い」の意) の名は,ゆるやかで気品のある,床を滑るような足の運びに由来するとも,あるいは低音旋律にテーマをおき,即興的な伴奏を付ける音楽によるともいわれる。初めは一連の舞踊形式をいったが,やがてそのうちの一つをさすようになった。 15世紀に宮廷社交舞踊または舞踊曲として発達。主としてシャンソンの旋律を用いるが,さらに異なる拍子や速度をもつ4種のテーマ (最初にバス・ダンス,それより急速度のクワデルナリア,さらに急速な跳躍踊りサルタレロ,バス・ダンスの倍の速度で踊るピバ) を連結して一曲にまとめる場合が多い。通常,男女男女の順に列をなして単に足を上げ下げするステップで踊られるが,男女男の3人で踊られることもある。

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世界大百科事典(旧版)内のバス・ダンスの言及

【舞曲】より

…やがて舞踏が宮廷生活に不可欠なものとなると,舞曲も目ざましい発展を遂げる。〈舞曲の世紀〉ともいわれる16世紀には,低い滑るような足の運びのバス・ダンス,パバーヌ,五つのステップを基本とするガイヤルド,踊手が輪になって足を横へ横へと運んで回っていくブランル,パバーヌに似て軽快な2拍子のパッサメッゾ,3拍子系の陽気で急速なサルタレロといった舞踏が生まれ多数の舞曲が作曲されたが,早くも16世紀末には踊ることを離れ,高度に様式化された純器楽曲としての舞曲も存在した。また,ステップを克明に記した舞踏譜も出版された。…

※「バス・ダンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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