デジタル大辞泉
「踊り」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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踊り (おどり)
現在は〈舞踊〉として総称されるが,歴史的には舞と踊りは別の芸態である。舞が囃子手など他者の力で舞わされる旋回運動を基本とするのに対して,踊りはみずからの心の躍動やみずからが奏する楽器のリズムを原動力に跳躍的な動きを基本とする。〈躍〉〈踏〉〈をどり〉などの字も用いる。舞が選ばれた者や特別な資格を持つ者が少人数で舞うのに対し,踊りはだれでもが参加できるため群をなす場合が多く,場も特殊な舞台を必要としない。近世以前には腰鼓や編木(びんざさら)を奏しつつ躍る田楽躍,鉦(かね)や念仏でおどる踊念仏,小歌を誦する小歌踊,飾りや歌にくふうをこらした風流(ふりゆう)踊などがあり,用いる楽器により太鼓踊,羯鼓(かつこ)踊,銭太鼓踊,採物(とりもの)や被(かぶ)り物の違いにより棒踊,傘踊,笠踊,灯籠踊,綾踊,コキリコ踊,目的の違いにより盆踊,七夕踊,田植踊,雨乞踊,形態によって鹿(しし)踊,七福神踊などさまざまな名称で呼ばれる。なお近世の歌舞伎舞踊は舞と踊りの要素を巧みに融合させた舞台芸能であるが,踊りの要素が濃い部分はとくに踊り地と称し,最後の華やかな多勢の手踊りなどを総踊りともいう。また歌舞伎舞踊自体を江戸では踊と総称する場合も多い。
→舞踊
執筆者:山路 興造
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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踊り
おどり
舞踊の一側面である「おどり」には,古くから「躍」,「踊」などの漢字があてられた。古代では単なる跳躍を主とする日常の動作を意味し,芸術的舞踊は「舞」と称された。古代以来,踊りは宗教と深く結びつき,したがって巫女や僧侶などの宗教者たちによってになわれ,伝承され,広められた。宗教性から脱皮し,芸術としてのまとまりを示すにいたるのは,歌舞伎へ発展してからである。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の踊りの言及
【清酒】より
…酒母の乳酸の雑菌阻止力は,もろみが酒母の約3倍量になる初添えまで効力があるので,初添え後1日仕込みを休み,その間十分に酵母を活性化させる。この休みを踊りという。踊りの翌日からは連日仲,留を仕込み,留添えで酒母の約15倍量のもろみが仕込まれる。…
【日本舞踊】より
…しかし狭義では歌舞伎舞踊を指し,ふつう,これが一般的用語となっている。〈舞踊〉という語はまわるという意味の〈[舞](まい)〉とおどり上がるという意味の〈[踊り]〉という語を合成したもので,1904年坪内逍遥が《新楽劇論》中で用いたのが最初といわれる。
[歴史]
日本における舞踊の初めは,招魂(たまふり)・鎮魂(たましずめ)の呪術としての[神楽]にあり,以後,[大和舞](やまとまい),楯臥舞(たてふしまい),隼人舞(はやとまい),[久米舞](くめまい),古志舞(こしまい),吉士舞(きしまい),殊舞(たつつまい),[田舞](たまい),[五節舞](ごせちのまい),[東遊](あずまあそび)などが行われた。…
【舞踊】より
…呪術的,宗教的舞踊は日本では神楽(かぐら),舞楽,延年(えんねん),呪師,盆踊などのなかに見られる。のち舞踊はみずからの楽しみのために踊り,また鑑賞するものに発展した。古代の〈歌垣(うたがき)〉(嬥歌(かがい))や中世の〈風流(ふりゆう)〉などをはじめ民俗舞踊や郷土舞踊がそれにあたる。…
【振り】より
…舞踊では,しぐさ,所作を指す。日本舞踊は振り,舞,踊りの3要素から成り立っているが,舞が〈まわる〉を語源とする平面的旋回動作,踊りが〈躍る〉という言葉に発している上下的動作であるのに対して,振りは物まね的しぐさの,演劇的要素の強い部分を指している。歌詞に即して物まね的に演じることもあるが,その時点を超越すると扇1本,手ぬぐい1本,時には何も持たずに状況を観客の眼前にほうふつとさせることも可能で,深い奥行きをもっている。…
※「踊り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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